2008年3月28日 16:19
Monroe KR, Murphy SP, Kolonel LN, Pike MC.
Br J Cancer. 2007 Aug 6;97(3):440-5. Epub 2007 Jul 10.
まず、CYP3A4がエストロゲンの代謝に関係していることは、in vitroおよびin vivo研究において示されており、そのCYP3A4を抑制するグレープフルーツが、血漿中エストロゲン濃度を上昇させるというエビデンスもある。
そして、乳癌リスクとエストロゲンの関係は確立されていることから、グレープフルーツを習慣的に摂取することは乳癌リスクを増加させるという可能性は一見理にかなっているように思われる。
グレープフルーツ摂取と乳癌リスクの有意的関連性
Monroeらは、ハワイ-ロサンゼルス多民族コホート研究で、グレープフルーツ摂取と乳癌リスクの関連性を調査した。この前向きコホート研究では、5つの人種から50,000人の閉経後女性が含まれた。乳癌のケースは1657件あり、分析された。
グレープフルーツを全く摂取しない女性に比べ(Ptrend = 0.015)、摂取量が最も多いグループ(1日1/4個以上)において、グレープフルーツ摂取と乳癌リスクの有意的関連性を示した(相対危険率RR = 1.30, 95%信頼区間 1.06-1.58)。
これと同レベルのリスク増加は、エストロゲン療法を受けている女性、エストロゲン+プロゲスチン療法を受けている女性、ホルモン療法を受けたことがない女性においてみられた。
グレープフルーツ摂取は、閉経後女性において乳癌リスクを増加させる可能性がある。
英語文献(リンク下記)