2008年4月14日 13:21

高コレステロール食と一緒に毎日コーヒー一杯分のカフェインを与えられたウサギは、中枢神経系を保護している血液脳関門(BBB)の損傷が比較的少なかったことが最新の臨床試験で分かり、Journal of Neuroinflammationにて発表された。

 

以前行われた研究によると、高レベルのコレステロールはBBBを損傷し、血液内の有害な物質が中枢神経系に入りこむことを示している。

カフェインは、密着結合タンパク質の結合を維持することによってBBBを損傷から保護し、不要な物質が中枢神経系に入りこむのを防ぐことが示唆されている。

 

ノースダコダ州立大学医学健康学部のJonathan Geiger氏は、

「カフェインは安全で、簡単に使用することの出来る薬物です。また、血液脳関門を安定させるその働きは、カフェインが神経障害の治療において重要な役割を担う可能性があります」と、述べている。

 

 

アルツハイマー病:ウサギにおいて、カフェインが血液脳関門(BBB)を損傷から保護

Xuesong Chen , Jeremy W. Gawryluk , John F. Wagener , Othman Ghribi  and Jonathan D. Geiger

Journal of Neuroinflammation 2008, 5:12doi:10.1186/1742-2094-5-12

 

Geigerらは、ニュージーランドラビットに2%コレステロール含有飼料を与え、飲用水にカフェイン3mg/日を12週間投与した。血液から総コレステロールとカフェイン濃度が測定された。

組織学的方法、免疫染色法、免疫ブロット法を使い嗅球を評価し、BBB障害、BBB密着結合蛋白発現レベル、星状細胞の活性化、膠細胞密度が測定された。

カフェインは、高コレステロール食事によるIgGとフィブリノゲンの管外遊出の増加、Evans blue 色素の漏出量増加、密着結合蛋白occludinZO-1の減少、およびIgG管外遊出があった場合の星状細胞活性化と膠細胞濃度の増加を防いだ。

定期的なカフェイン摂取は、BBBを高コレステロール食による損傷から保護するため、アルツハイマー病の治療おいて重要な役割を担う可能性がある。