2008年7月28日 16:06
末梢神経障害は、真性糖尿病やアルコール依存症など様々な原因があり、手足の痛みや無感覚などを引き起こす。ビタミンBは、末梢神経障害の治療に使用されることがあるが、その有効性は不明である。このレビューは、糖尿病性末梢神経障害とアルコール性末梢神経障害に関する13件(計741名)の研究が含まれ、末梢神経障害の治療におけるビタミンBの有効性を評価し、Cochrane Databaseに掲載された。
結果
2件の小規模研究は、プラセボに比べ、疼痛強度に対する短期的改善はなかったが、1件の小規模研究では、経口ベンフォチアミン(ビタミン B1誘導体)によって振動感覚基準点がわずかに改善した。
ビタミンBの摂取量を変えた大規模な2件の研究では、摂取量を増やすと短期的疼痛改善と異常感覚の改善を示すエビデンスが多少あった。
臨床試験及び神経伝導検査では、ビタミンBがαリポ酸、シロスタゾール、シチジン三リン酸より有効性が低いこと示すエビデンスもあったが、いずれの研究も小規模であった。
結論
末梢神経障害の治療におけるビタミンBのランダム化比較試験は限られているため、今のエビデンスはビタミンBが有効であるか有害であるかを確定するには足りない。
原文