Ebbingらによる大規模臨床試験の結果、ビタミンB類は冠動脈疾患患者の死亡や心血管イベントを予防する効果はないことが、Journal of the American Medical Association誌8月20日号で発表された。
血中ホモシステイン濃度と冠動脈系心疾患リスクが関連することが観察研究で報告されており、葉酸やビタミンB12の経口投与によりホモシステイン濃度が低下する可能性がある。この臨床試験の目的は、ホモシステイン濃度を下げることの死亡や心血管イベントへの影響を調べることであった。
1999-2006年に西ノルウェーにある2つの病院にて行われたランダム化二重盲検比較対照試験は、3096名の患者を含んだ。患者は、葉酸0.8mgとビタミンB12 0.4 mgとビタミンB6 40mg群(772名)、葉酸とビタミンB12群(n=772)、ビタミンB6群(772名)、プラセボ群(780名)の4群にランダムに割りつけられた。
この研究は、同様のノルウェーの研究でビタミンB類が効果がないだけではなくガン発症リスクを増加する可能性が示唆されたことから早期に中止された。
結果として血中ホモシステイン濃度は下がっていたが葉酸やビタミンBによる予防効果は見られなかった。
英語原文
Mortality and cardiovascular events in patients treated with homocysteine-lowering B vitamins after coronary angiography: a randomized controlled trial.
Ebbing M, Bleie Ø, Ueland PM, Nordrehaug JE, Nilsen DW, Vollset SE, Refsum H, Pedersen EK, Nygård