2008年11月10日 11:44

36000名と7年間のフォローアップ期間を有したランダム化試験の結果、更年期女性において、カルシウム+ビタミンDサプリメントを毎日7年間摂取しても血圧低下作用がみられず、高血圧症のリスクも下げないことが分かった。

研究チームのDr.Karen L. Margolisは、「高血圧症のリスクを下げたり、血圧を下げたりするための栄養素を食事ではなくてサプリメントで補うことは推奨できない」とHypertension誌で発表している。

 

短期間で行われた小規模試験の疫学的エビデンスは、ビタミンDが含有しているかどうかに係わらず、カルシウムサプリメントの血圧降下作用を示唆しているとDr. Margolisは言う。

 

Dr. Margolisの研究チームは、50歳から79歳の女性を18,000名ずつ、1000mgカルシウム+400IUビタミンD3群とプラセボ群に割り当てた。平均7年のフォローアップ期間後、両群において血圧の変化および高血圧症・前高血圧症を発症した人数に有意差はなかった。

 

ただ、Wagenington大学(オランダ)Dr. Johanna Marianna Geleijnseは、この研究に参加した女性の約半数は研究に参加する前にすでに高血圧であり、参加者の約3分の1は血圧を低下させる薬物を服用していたと指摘している。また、もっと若い年齢からカルシウム・ビタミンサプリメントを長期摂取するとより有効性が高い可能性があり、カルシウム・ビタミンサプリメントの有効性を否定する最終結論にはまだ早いとしている。

 

英語原文

http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/news/fullstory_71313.html