CYP2D6について
シトクロムP4502D6(CYP2D6)は薬物間相互作用において重要な分子種であり、約30%の医薬品がCYP2D6によって代謝される。
研究方法
6種の植物抽出物が、別々に行われた3つの試験で評価された。各試験は、それぞれ2種類の植物抽出物を評価し、16名(女性8名)の健康なボランティアが含まれた。ボランティアは、規格化された植物抽出物を14日間与えられるようランダムに分けられた。2種類のサプリメント摂取期間の間には、治療効果が消失するのを待つための期間(wash-out period)が30日間設けられた。
CYP2D6基質デブリソキン(5mg)が、各サプリメント投与期間の開始時と終了時に与えられた。CYP2D6を測定するために、8-hデブリソキン尿中回収比率(DURR)を利用し、サプリメント摂取前とサプリメント摂取後の表現型形質が測定された。
第1試験:
被験者は、ミルクシスル(Silybum marianum)とブラックコホシュ(Cimicifuga racemosa)が与えられた。
第2試験:
被験者は、カバカバ(Piper methysticum)とヒドラスチス(Hydrastis canadensis)が与えられた。
第3試験:
被験者は、セントジョーンズワート(Hypericum)とエキナセア(Echinacea purpurea)が与えられた。
結果:
サプリメント摂取前とサプリメント摂取後DURRを比較し、ヒドラスチスの活性は有意に抑制したが(約50%)、他のサプリメントにおいて有意な抑制はみられなかった。従って、Gurleyらはこの研究から、ヒドラスチスとCYP2D6基質の医薬品を同時摂取すると重篤な副作用の可能性があるとしている。
Gurley BJ, Swain A, Hubbard MA, Williams DK, Barone G, Hartsfield F, Tong Y, Carrier DJ, Cheboyina S, Battu SK.
Department of Pharmaceutical Sciences, College of Pharmacy, University of Arkansas for Medical Sciences, Little Rock, AR 72205, USA.
英語原文
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18214849?ordinalpos=1&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_DiscoveryPanel.Pubmed_Discovery_RA&linkpos=2&log$=relatedarticles&logdbfrom=pubmed