Bhardwajらは、慢性膵炎の痛みの緩和に抗酸化物質が有効な可能性があると、Gastroenterology2009年1月号(136:149-159)で発表した。
背景と目的:
慢性膵炎(CP)の病態生理に酸化ストレスが関係している可能性があることから、Bhardwajらは、慢性膵炎患者における抗酸化サプリメントの鎮痛効果、酸化ストレス、抗酸化状態を評価した。
方法:
CP患者をプラセボ群と抗酸化サプリメント群にランダムに割り当て、6ヶ月間のランダム化プラセボ比較対照試験を行った。第一義的転帰は鎮痛作用、第二義的転帰は鎮痛剤の必要性、入院、酸化ストレスマーカー(チオバルビツール酸反応物質)、及び抗酸化状態(FRAP:ferric-reducing ability of plasma)であった。
結果:
プラセボ群と比べ抗酸化群では6か月後の1か月間の疼痛日数の減少と、鎮痛薬錠剤数の減少がともに有意に大きかった(それぞれP<0.001、P=0.001)。痛みが消失した割合は抗酸化群32%、プラセボ群13%であった(P=0.009)。
プラセボ群と比べ、抗酸化サプリメント群では鎮痛効果と酸化ストレスマーカーの有意な改善が認められた。
英語論文
Gastroenterology 2009, Jan; 136:(1):149-159.
“A randomized controlled trial of antioxidant supplementation for pain relief in patients with chronic pancreatitis.”
Bhardwaj P, Garg PK, Maulik SK, Saraya A, Tandon RK, Acharya SK.
Department of Gastroenterology, All India Institute of Medical Sciences, New Delhi, India.
リンク
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18952082?ordinalpos=2&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_DefaultReportPanel.Pubmed_RVDocSum