◇話題の成分「レスベラトロール (resveratrol)」
葡萄の葉や果皮、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種で1992年にその存在が明らかにされ、その後、発がんを抑制することが発表され大きな注目を集めた。
2006年にBaurらが英国科学誌『Nature』にて
「リスベラトロールが肥満に伴う様々な障害を改善することを、高脂肪食摂取肥満モデルのマウスで証明した。マウスを用い、スタンダード食(SD)、脂肪含む高カロリー食(HC)、あるいは高カロリー食に0.04%のリスベラトロールを含む餌(HCR)のいずれかを摂取させたところ、高脂肪食では寿命の短縮が見られたが、リスベラトロールの摂取によりSD摂取とほぼ同様の寿命となった。HCとHCR群の間で体重には優位差が認められず、肥満そのものを改善したのではなかったが、リスベラトロール摂取によって肥満に伴うインスリン感受性の低下、血中グルコースの上昇、血中IGF-1の上昇、肝脂肪の蓄積をSDに近いレベルまで回復させ、AMP依存性キナーゼを活性化させることも示している。また、リスベラトロールは、PGC-1αの活性変化からにはミトコンドリアを増加させる効果も示された。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17086191?dopt=Abstract
Nature. 2006 Nov 16;444(7117):337-42. Epub 2006 Nov 1. 」
この発表がされてから、レスベラトロールは抗酸化作用、突然変異原抑制効果、抗ガン作用、認知症、動脈硬化、眼病の予防など、様々な効果が明らかになり長寿遺伝子を活性化させることでさらに注目されている。
ただし、マウスに与えられたレスベラトロール量は、赤ワインに換算すると数百杯に相当することから、食生活で摂取するのは不可能である。そこで、サプリメントでの摂取となるわけだが、臨床試験の発表はこれからであることを知っておきたい。
また医薬品との相互作用として、レスベラトロールは抗血小板作用があるため、抗血小板薬との併用に注意が必要である。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8814965?dopt=Abstract
また、レスベラトロールはCYP3A, CYP1Aと CYP2E1の阻害作用がある。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11701226?dopt=Abstract
注意事項としては、レスベラトロールにはエストロゲン様作用が報告されている。よって、乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜症、子宮筋腫の人は摂取に注意が必要とのことである。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9391166?dopt=Abstract
日本でも、注目を集めるレスベラトロールは、すでに多くの製品に配合されている。