2009年8月31日 10:30

ビタミンD欠乏は、乳がんの予後の悪さと相関関係にある

 

研究の対象者は、1989年から1996年に早期の乳がんと診断された512人で、平均11.6 年の追跡調査が行われた

ビタミンD25-ヒドロキシビタミンD)濃度は、保存血液を使用して測定された。

平均年齢50.4歳の対象者の血中ビタミンD濃度は、平均 58.1nmol/Lで、

37.5%の患者で欠乏(50nmol/L未満)しており、

38.5%の患者が不十分(5072nmol/L)、

24.0%の患者が十分(72nmol/L超)なレベルだった。

追跡期間中に、116人の女性が遠隔転移があり、106人の女性が死亡した。

ビタミンDが欠乏していた女性は、十分なレベルに達していた女性と比較して、遠位転移のリスクが94%、死亡リスクが73%高かった。

この傾向は交絡因子で調整しても変わらなかったが、多変量解析では同71 %、64%高いという結果になった。

 血中ビタミンDレベルと乳がんの発症リスクとの関連についてはこれまでにも報告されているが、今回の結果で、血中ビタミンDレベルが不足の場合は、乳がんの予後の悪化と相関関係にあることが示唆された。

 

 

J Clin Oncol. 2009 Aug 10;27(23):3757-63. Epub 2009 May 18.