2009年9月30日 10:47

2型糖尿病において、地中海食は、血糖降下薬による治療の必要性を低下させる

2型糖尿病を有する人や過体重の人に低炭水化物食および低脂肪食が推奨されることが多い。イタリア、Naplesの研究者らは、4年間のランダム化試験において、低炭水化物の地中海式食生活と米国心臓協会(American Heart AssociationAHA)が推奨する低脂肪食を比較した。対象者は、2型糖尿病の診断を受け薬物療法はまだ受けていない、BMI 25 kg/m2以上、HbA1c11%未満の 215人をランダムに割り当てた。

いずれの食事も、全粒穀物を豊富に含んでおり、1日の摂取熱量は女性が1,500kcal、男性が1,800kcalであった。

地中海食とは、野菜が豊富で赤身肉が少なく(鳥類の肉および魚を重視)、脂肪由来熱量30%以上(オリーブ油摂取量13050g)、複合炭水化物に由来する熱量は50%以下であった。

AHA低脂肪食は、甘い菓子類および高脂肪のスナック類に制限があり、脂肪に由来する熱量は30%以下、飽和脂肪に由来する熱量は10%以下であった。

結果、地中海食群の方が、AHA低脂肪食群よりも、HbA1c7%未満を達成するために薬物療法を必要とした参加者が、18ヵ月の時点(12%対24%)および研究終了時(44%対70%)において少なかった。

また、地中海食群は、ベースライン時からの体重減少量がより多く、HbA1c、空腹時血漿グルコース、冠動脈のリスク改善がより大きかった。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19721018?dopt=Abstract