2009年10月14日 15:19
◇魚のオメガ-3脂肪酸摂取と心不全発症:ロッテルダムスタディ
大規模な前向き研究で地域をベースにしたロッテルダムスタディで冠動脈心疾患の既往のない人、男女5299人(41%男性、およそ68歳)において心不全の発症予防ができるかどうかを調べた。ロッテルダムスタディとは、慢性で機能障害をもつ疾患の決定因子を調査することを目的とした調査であり、11.4年の間に、669人に心不全が発症した。結果、オメガ-3脂肪酸を豊富に含む魚の摂取は、男女とも心不全の発症と有意に関連していないことがわかった(相対リスク:0.89、95%信頼区間:0.69-1.14)。
ただし、魚の摂取量が最も多い人では心不全がやや少なかった(相対リスク:0.96、95%信頼区間0.78-1.18)。性差でみると、女性のほうが男性より予防がされやすい傾向にあるようだ(女性 相対リスク:0.75、95%信頼区間0.54-1.04、男性 相対リスク:1.00、95%信頼区間0.73-1.36)。
糖尿病患者においては、心不全の予防がされやすいことが見られた(相対リスク:0.58、95%信頼区間0.32-1.06)。
Eur J Heart Fail. 2009 Oct;11(10):922-8.