2010年4月20日 10:32

ビタミンDサプリメントによる子どもの季節性A型インフルエンザの予防:ランダム化試験。

 

 

背景:知られている中で、ビタミンDサプリメントと医師の診断による季節性インフルエンザの関連性を評価した、良くデザインされた臨床試験はない。

 

目的:子どもにおける季節性A型インフルエンザの発生率に対するビタミンDサプリメントの効果を評価した。

 

デザイン:200812月から20093月の間、子どもにおいてビタミンD3)サプリメント(1200IU/日)とプラセボを比較したランダム化二重盲検比較対照試験を行った。主要転帰は、鼻咽頭標本検体を使ったインフルエンザ抗原試験によって診断したA型インフルエンザの発生であった。

 

結果:インフルエンザA型の発症は、プラセボを摂取した子どもでは18.6パーセント(167人中の31人)だったのに対して、ビタミンDサプリメントを摂取した子どもでは10.8パーセント(167人中の18人)であった(相対リスクRR=0.58;信頼区間95%:0.34, 0.99; P=0.04)。特に、他のビタミンDサプリメントを摂取していなかった子どもと、3歳以降に保育園に入園した子どもで、ビタミンDサプリメントによるインフルエンザA型の発症リスクの減少は顕著であった。さらに、喘息の子どもにおいて、ビタミンDのサプリメントの摂取は、喘息の発作を起こすリスクを83パーセント低下させた。サプリメントを摂取した子どもの2人で発作が起きたのに対して、プラセボを摂取した子どもの12人で発作が起きた。

 

結論:研究者は、「この研究結果は、冬期のビタミンD3サプリメントの摂取が、インフルエンザAの発症を減少させると示している」と述べている。

Am J Clin Nutr. 2010 Mar 10.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20219962