2010年6月16日 12:12
チョコレートと抑うつ症状の横断的研究
チョコレート摂取量と気分の関係における横断的研究を成人男女を対象におこなった。対象は、サンディエゴ、カルフォルニアに在住の糖尿病または心血管系疾患のない成人1018人(男性694人、女性324人)である。研究では、抗うつ剤などの薬物療法を受けていない931人に対して気分とチョコレート摂取量に関して検討された。
気分は、Center for Epidemiologic Studies Depression Scale(CES-D)で評価された。
結果、CES-Dスコア16以上の抑うつ群は1か月のチョコレート摂取量は8.4回分、CES-Dスコア16以下の群は5.4回分。CES-Dスコア22以上群は11.8回分とより摂取量が多かった。この結果は男女ともに見られた。また、脂肪、炭水化物、エネルギー摂取量とCES-Dスコアとの間に関係は認められなかった。
CES-Dスコアが高い人ほどチョコレート摂取量が多いことが示されたが、さらなる前向き研究が必要である。
Arch Intern Med. 2010 Apr 26;170(8):699-703.
*横断的研究とは、(=クロスセクショナル研究)一連の調査の中である時点における状況を調査することです。この方法の主な長所と短所 長所=広範な発達段階にわたったとしても、短期間に全資料を得ることができるので、研究の時間・経費・労力などの面で経済的ということ。 短所=各段階ごとに独立の異なる被験者であることから、発達の流れの概略はつかみ得ても、その動的内容や質的変化や発達的相関などを純粋に抽出できない点。