2010年8月 9日 10:55

肝疾患におけるミルクシスルの効果

 

 

ミルクシスル(和名:マリアアザミ、学名Silybum marianum)はキク科のハーブで、肝疾患においてもっともよく研究されてきている。

 

これまでの研究で、ミルクシスルの有効成分として種子抽出物に含まれる3種類のフラボノリグナン(silybin, silydianin, and silychristin)3種類の総称としてシリマリンが見出されている。

 

 

このうち、silybinの生理活性が最も高く、シリマリンの5070%を占める。

 

そして、シリマリンは、ミルクシスルの全草に存在するが、特に種子や果実に多く含まれる。

 

シリマリンには抗酸化作用があり、フリーラジカルを減らし、脂質酸化を抑制する作用を介し、繊維化活性を抑制し、また肝毒性を有する分子が肝細胞膜上の受容体に結合するのを阻害することで、管保護作用を示すと考えられている。

 

 

動物実験において、シリマリンは、アセトアミノフェンや四塩化炭素、放射線、鉄過剰、フェニルヒドラジン、アルコール、冷虚血、Amanita phalloides(卵テングタケ)による肝障害を軽減することが知られている。

 

 

またシリマリンは、アルコール性肝障害、急性・慢性ウイルス性肝炎や毒素による肝障害の治療にも使われている。

Phytother Res. 2010 Jun 7.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20564545