2010年8月23日 12:51
脳血管血流量と認識能力:レスベラトロールの効果
レスベラトロール(葡萄の葉や果皮、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種)は抗酸化作用,NO産生調節作用,血管拡張作用など血液循環改善を示唆する働きも示されており,脳循環改善を介した認知機能への作用が推定されている。
今回の研究ではランダム化二重盲検偽薬対照クロスオーバー法で、レスベラトロールを経口投与した時の脳血管血液量および認識能力の効果が検討された。
健常人22名を対象に,トランス-レスベラトロール(250mgもしくは500mg)、あるいはプラセボが別日に投与さた。
45分間の安静吸収期間を経た後に,認識能力検査および脳血管血流測定が行われたところ、レスベラトロール投与群では、用量依存的に脳血管血流の増加が認められた。
また,レスベラトロール群は投与後に,デオキシヘモグロビンが増加したことから,酸素摂取率の亢進が示唆された。認識能力検査では有意差はなかった。
これらの結果から、レスベラトロールの単回経口投与により、脳血管血流量が増加することがわかった。
Am J Clin Nutr. 2010 Jun;91(6):1590-7. Epub 2010 Mar 31.