かぜに対するエキナセアの効果:ランダム化比較試験
エキナセアはかぜに対する治療に幅広く使用されているため、有効性を調べるため、ランダム化比較試験が行われた。
対象は12~80歳までのかぜ患者719名。
方法は、無治療群、プラセボ群(盲検)、エキナセア群(盲検)、エキナセア群(非盲検、オープンラベル)の4群に割り付けた。エキナセア摂取群は、最初の24時間は10.2gの乾燥エキナセア根を摂取し、その後4日は5.1gを摂取した。
Wisconsin Upper Respiratory Symptom Survey, short versionを用い、個人が1日2回レポートに症状を書きこむ方法をとり、鼻洗浄からのインターロイキン8値と好中球数の変化も評価された。
結果:719名中713名がプロトコールを終了し、平均年齢は33.7歳、64%女性、88%が白人であった。罹患期間日数は、エキナセア群(盲検)6.34日、エキナセア群(非盲検、オープンラベル)6.76日、プラセボ群(盲検)6.87日、無治療群7.03日で有意差は認められなかった。(P = 0.075 信頼区間−1.25 から 0.19日)
インターロイキン8値と好中球数の変化の中央値は、無治療群(30 ng/L and 1 cell/hpf)、プラセボ群(盲検)(39 ng/L and 1 cell/hpf)、エキナセア群(盲検)(58 ng/L and 2 cell/hpf)、エキナセア群(非盲検、オープンラベル)(70 ng/L and 1 cell/hpf)と有意差はなかった。
結論:エキナセア群とプラセボ群で、罹患期間と重症度で有意な差は認められなかった。結果、かぜに対するエキナセアの治療効果は認められない。
Ann Intern Med 2010;153:769-777