2014年11月 8日 23:28


加齢性眼疾患研究(AREDS)に携わっている研究グループが、その被験者に関する新しいレポートを公表しました。これには、加齢性黄斑変性を発症するリスクがある50~85歳の被験者4,203人に関する情報が含まれています。同じグループによる以前のレポートによると、試験を行った処方(ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、亜鉛および銅)によって、視力の維持、ならびに黄斑の状態悪化の予防に効果が見られたということです。

この新しい研究では、上記の当初処方と、それにルテイン(10 mg)とゼアキサンチン(2mg)が入ったサプリメントを加えた処方との比較を行いました。また、β-カロテンの代わりに、このルテインとゼアキサンチンの組合せを用いた場合の分析もしました。喫煙者の場合、β-カロテンによって肺ガンのリスクが高まる恐れがあることが他の研究で示されているためです。また、上記のサプリメントにオメガ3系脂肪酸のサプリメントを加えた試験も行いました。被験者の追跡期間は平均4.9年でした。(Age-Related Eye Disease Study 2 (AREDS2) Research Group, Secondary analyses of the effects of lutein/zeaxanthin on age-related macular degeneration progression: AREDS2 Report No. 3. JAMA Ophthalmol. 2014 Feb 1;132(2):142-9. doi:10.1001/ jamaophthalmol.2013.7376)

β-カロテンと比較して、ルテインとゼアキサンチンを含むサプリメントの場合、後期の加齢性黄斑変性になるリスクが18%、血管新生型の加齢性黄斑変性になるリスクが22%低くなっていました。調査開始の時点で両眼に早期疾患があった被験者グループでは、ルテインとゼアキサンチンの組合せを摂った場合、後期の加齢性黄斑変性になるリスクが24%低くなっていました。こうした効果は、AREDSにおける前述の当初処方による効果にさらに加えて見れらたものです。


【コンクルージョン】


β-カロテンは、抗酸化栄養素であるカロテノイド族の一つにすぎません。他のカロテノイドも重要であることは明らかです。ルテインとゼアキサンチンは、網膜に蓄積します。この2つは、緑の葉野菜、とくに、ケール、ホウレンソウ、スイスチャード、コラードグリーンに含まれています。私は、10 mgのルテインと0.5 mgのゼアキサンチンを含むサプリメントを1錠摂っている他、緑色の野菜もたくさん食べています。緑色の野菜を摂ることは、他の栄養効果もあるため、サプリメントよりも重要です。