2014年12月 6日 22:38

 毎日のビタミンDサプリメントの服用が、冬に悪化する小児のアトピー性皮膚炎に有用である可能性が研究で示唆された。米マサチューセッツ総合病院のCarlos Camargo氏らが、モンゴル健康科学大学の協力を得て行った研究。

重度のアトピー性皮膚炎の治療では、一般的に、皮膚のビタミンD産生を誘発する紫外線を用いる。そこで、「日照ビタミン」と呼ばれるビタミンDの欠乏で冬の症状悪化を説明できる可能性を考え、検討を行った。

同氏は、「低用量のビタミンDサプリメントを摂取していた多数の患者で、症状への有用性が認められた。このサプリメントは安価で、広く安全に使用されている」と述べている。

本研究は、首都ウランバートルにある9カ所のクリニックを受診した2~17歳の小児107人を対象とした。全小児が秋から冬にかけて悪化するアトピー性皮膚炎であり、ビタミンDを毎日1000IU投与する群と、プラセボ群に無作為に割り付けられた。1カ月後、小児の両親に対し小児の皮膚の状態が改善したかどうかを尋ねたところ、ビタミンD群では平均29%の症状改善が認められたが、プラセボ群では16%だった。

「ビタミンDが成人や通年症状のある小児でも有用か調べるには、さらなる研究が必要だ。しかし、冬に症状のある小児は、ビタミンDを数週間試すこともできる。ビタミンDの有用性について、両親は小児の主治医と相談するとよい」と同氏らは助言する。

この結果は「Journal of Allergy and Clinical Immunology」10月号に掲載された。

The U.S. National Institutes of Health Office of Dietary Supplements provides more information on vitamin D.

SOURCE: Massachusetts General Hospital, news release, October 2014