2014年12月 6日 23:09
ある研究グループが、看護師保健調査と医療従事者追跡研究という2つの大規模な前向きコホート研究から得られたデータをもとに、心臓死亡率を含む死亡率に対する食物繊維の影響を調べました。登録時に循環器疾患・脳卒中・ガンがなかった被験者のうち、
追跡期間中に初回心臓発作(心筋梗塞)を乗り越えた人が、女性では2,258人、男性では1,840人いました。こうした被験者は、心筋梗塞を起こす前、およびその後少なくとも1回、食事アンケートにも回答を記入していました。(Li S et al., Dietary fiber intake and mortality among survivors of myocardial infarction: prospective cohort study. BMJ. 2014 Apr 29;348:g2659. doi: 10.1136/bmj.g2659.)
この研究では、その回答にもとづき、心筋梗塞後の食物繊維摂取量、ならびに心筋梗塞の前後での食物繊維摂取量の変化を調べ、その後の心血管死亡および原因を問わない死亡のリスクに関連付けました。研究グループは、その評価結果を、薬剤使用、病歴および生活習慣に合わせて調整した後、被験者を、食物繊維摂取量が最も多いグループから最も少ないグループまで5つに分けました。最上位のグループにおける1日当たりの食物繊維摂取量は、男性の場合37グラム、女性の場合29グラムでした。これは推奨量に近い値ですが、ほとんどの米国人は、それよりはるかに少ない量しか摂っていません。1950年代にデニス・バーキットが調べた現地アフリカ人の食物繊維摂取量は、1日当たり平均100グラム近くあり、これは主食として摂っていたジャガイモ、バナナ、コーンミール、豆類によるものでした。
上記の研究で、食物繊維の摂取量が最も多かったグループは、全死因による死亡リスクが25%低くなっていました。穀物繊維(オートミール、オオムギ、全粒小麦などの穀物)の摂取量が最も多かったグループでは、さらに良好な結果が見られ、この調査期間を通して死亡率が27%低くなっていました。心筋梗塞前より食物繊維の摂取量を増やして心臓発作に対処したグループでは、それをしなかったグループと比較して、死亡率が31%低くなっていました。(穀物などの)「炭水化物」は有害であるという考えは、全粒穀物と精製穀物との違いを踏まえていないことが、ここで示唆されています。精製炭水化物(精白小麦粉や砂糖)は有害ですが、全粒穀物は有益です。
【コンクルージョン】
砂糖や、精製小麦粉(スーパーマーケットで見かけるほとんどすべてのペストリーやパンなど)、白米というような精製炭水化物は何としても避け、精製していない複合炭水化物を摂りましょう。食事では、様々な全粒穀物、新鮮な果物と野菜を摂りましょう。全粒穀物には、全粒小麦、キビ、玄米、全粒トウモロコシ(遺伝子組み換えされていないのはオーガニック品だけです)、オオムギ、ライムギ、キノアなどがあります。ソバの実は本当の穀物ではありませんが、全粒穀物の栄養特性を多く有しています(日本の麺である蕎麦はソバの実から作られています)。また、マメ科植物(エンドウを含む豆類)、種子類およびナッツ類からも、食物繊維を摂ることができます。
追跡期間中に初回心臓発作(心筋梗塞)を乗り越えた人が、女性では2,258人、男性では1,840人いました。こうした被験者は、心筋梗塞を起こす前、およびその後少なくとも1回、食事アンケートにも回答を記入していました。(Li S et al., Dietary fiber intake and mortality among survivors of myocardial infarction: prospective cohort study. BMJ. 2014 Apr 29;348:g2659. doi: 10.1136/bmj.g2659.)
この研究では、その回答にもとづき、心筋梗塞後の食物繊維摂取量、ならびに心筋梗塞の前後での食物繊維摂取量の変化を調べ、その後の心血管死亡および原因を問わない死亡のリスクに関連付けました。研究グループは、その評価結果を、薬剤使用、病歴および生活習慣に合わせて調整した後、被験者を、食物繊維摂取量が最も多いグループから最も少ないグループまで5つに分けました。最上位のグループにおける1日当たりの食物繊維摂取量は、男性の場合37グラム、女性の場合29グラムでした。これは推奨量に近い値ですが、ほとんどの米国人は、それよりはるかに少ない量しか摂っていません。1950年代にデニス・バーキットが調べた現地アフリカ人の食物繊維摂取量は、1日当たり平均100グラム近くあり、これは主食として摂っていたジャガイモ、バナナ、コーンミール、豆類によるものでした。
上記の研究で、食物繊維の摂取量が最も多かったグループは、全死因による死亡リスクが25%低くなっていました。穀物繊維(オートミール、オオムギ、全粒小麦などの穀物)の摂取量が最も多かったグループでは、さらに良好な結果が見られ、この調査期間を通して死亡率が27%低くなっていました。心筋梗塞前より食物繊維の摂取量を増やして心臓発作に対処したグループでは、それをしなかったグループと比較して、死亡率が31%低くなっていました。(穀物などの)「炭水化物」は有害であるという考えは、全粒穀物と精製穀物との違いを踏まえていないことが、ここで示唆されています。精製炭水化物(精白小麦粉や砂糖)は有害ですが、全粒穀物は有益です。
【コンクルージョン】
砂糖や、精製小麦粉(スーパーマーケットで見かけるほとんどすべてのペストリーやパンなど)、白米というような精製炭水化物は何としても避け、精製していない複合炭水化物を摂りましょう。食事では、様々な全粒穀物、新鮮な果物と野菜を摂りましょう。全粒穀物には、全粒小麦、キビ、玄米、全粒トウモロコシ(遺伝子組み換えされていないのはオーガニック品だけです)、オオムギ、ライムギ、キノアなどがあります。ソバの実は本当の穀物ではありませんが、全粒穀物の栄養特性を多く有しています(日本の麺である蕎麦はソバの実から作られています)。また、マメ科植物(エンドウを含む豆類)、種子類およびナッツ類からも、食物繊維を摂ることができます。