2015年1月13日 20:07


【内容】
2014
1126日、東京都生活文化局がインターネット都政モニター (インターネットが使える20歳以上の都内在住者を対象に公募し、性別、年代、地域等を考慮して500人を選任) を対象に行った健康食品に関するアンケート調査の結果を公表。調査項目は健康食品のイメージや利用状況、利用目的などで、平成15年度に実施された前回調査との比較が記載されている。


【結果】

なお、今回の調査では、「保健機能食品(特定保健用食品・栄養機能食品)」と「いわゆる健康食品」を対象として、アンケートをおこなっています(下図参照)。




まずは、「健康食品」の利用状況です。


また、上記の結果から
● 利用したことがある人:73.5%
● 現在利用している人:43.5%
ということになります。
かなり多くの人が、健康食品を利用していることが分かります。


次に「健康食品」の利用目的についてです。
回答の多かった順にみてみると、次のような結果(複数回答可)になりました。


栄養成分の補給:38.5%
健康の維持:31.7%
疲労・体力の回復:30.0%
病気の治療や予防:14.6%
美容、ダイエット:13.3%
強壮:3.7%
食事の代用:1.7%
特に目的はない:1.1%


そして、「健康食品」の購入時に重視するものについては、次のような結果(複数回答可)になりました。


効能、効果:57.8%
原材料、含有成分:32.0%
価格:29.6%
特定保健用食品、栄養機能食品の表示やマーク:21.3%
販売者、製造者:21.1%
原産国:19.3%
無添加、天然由来:18.5%
健康被害や回収などの安全情報:8.9%
人気ランキング、使用者の体験談:7.0%
残留農薬や重金属などの分析結果:2.8%
業界団体の認証、認定マーク:2.0%
パッケージデザイン:0.4%


では、「健康食品」の購入時に参考にする情報源については、どうでしょう。
次のような結果(複数回答可)になりました。


テレビ・新聞・雑誌などの情報:26.7%
インターネットの情報:22.2%
商品のパッケージ、ラベル:22.0%
商品のチラシ、パンフレット;21.7%
友人・知人などの推薦:13.9%
販売店の店員の説明、店頭にある説明書き:13.5%
医師・薬剤師など医療関係者の推薦:12.6%
行政機関の情報:3.9%


その一方で、広告や表示、製品情報などの表現についてどのように感じているか尋ねたところ、次のような結果が出ています。


信用できる表現が多いと思う:9.8%
信用できない表現が多いと思う:62.2%
特に感じることはない:28.0%


さらに「信用できない表現が多いと思う」と回答した人に、「信用できない表現が多いと感じるもの」を尋ねると(複数回答可)、『テレビ・新聞・雑誌などのCM・広告(64.3%)』『商品のチラシ、パンフレット(52.8%)』『インターネットの広告(26.6%)』などとなっています。


つまり、消費者は、健康食品に対して効能・効果を期待して、テレビ・新聞、雑誌、インターネットなどから情報を収集しているものの、その情報について信用できない表現が多いと感じている人がたくさんいるという結果となっています。
(※個人的に気になった点として、「インターネット」の情報は、いろいろと問題があるかと思うのですが、他のメディアの情報に比べて信用されている結果となっています。今後の課題かもしれません。ただ、今回の調査は、インターネットを介して実施されているので、サンプリングバイアスの影響があるかもしれません。)


また、健康食品を利用する上での注意点として、以下の項目を『知っている人』と回答した人の割合は次のようになりました。


「医薬品とは違い、病気の治療や予防を目的とするものではない」:75.4%
「特定の成分を摂り過ぎると健康に悪影響を与えることがある」:65.0%
「飲み合わせによっては医薬品の効果を強めたり弱めたりすることがある」:61.7%
「成分によってはアレルギー反応を起こすことがある」:58.9%
「成分によっては病状に悪影響を与えることがある」:58.5%
「海外から個人輸入で購入できる製品には医薬品の成分が含まれていることがある」:28.7%


6~7割の人が、健康食品の注意点について「知っている」と回答しています。
個人的には、かなり多くの人が健康食品の過剰摂取や相互作用に注意していると感じました。
ですが、逆に3~4割の人は「知らない」という事になりますので、まだまだ啓発活動が必要なのかもしれません。


さいごに、『安心して「健康食品」を利用するため、東京都に得に力を入れて取り組んでほしいこと』(東京都への要望)としては、次のような項目が挙がっています(複数回答可)。


虚偽、誇大な広告や表示の取り締まり:66.5%
悪質業者の公表:43.7%
市販品の成分検査の強化:35.2%
消費者に対する情報提供などの充実:25.4%
消費者相談の充実:8.7%
事業者の指導啓発:7.8%


今回の調査結果全体を通してみてみると、消費者は、健康食品の利用にあたって、メディアの情報を鵜呑みにしているわけではなく、厳しく目を光らせながら、情報を取捨選択して判断している印象を受けました。

あと、今後の課題として、行政機関の情報:3.9%など、テレビ・インターネットの情報と比べて、あまり利用されていないという実態の改善と、

医師・薬剤師など医療関係者の推薦:12.6%と言う結果ですが、MSAの先生方に相談できる場を増やしていくとともに、消費者に認知されることが重要と考えられます。



【関連情報】
東京都ウェブページ (20141126) →「平成26年度第4回インターネット都政モニターアンケート結果 健康食品」