2015年1月13日 21:29
  

遺伝的にビタミンD値の低い人は早期死亡のリスクが高いことが、新たな研究で示された。ただし、このリスクは心臓関連の原因によるものではないという。


デンマーク、コペンハーゲン大学ヘアレウ病院のBorge Nordestgaard氏らは、今回の研究でコペンハーゲンに居住するデンマーク系の白人9万5,000人以上を対象とした。対象者は3つの異なる集団から成り、いずれもビタミンD値に影響を及ぼすことが知られる遺伝子変異を保有していた。

「BMJ」に11月18日掲載されたこの研究では、喫煙、飲酒、身体活動レベル、血圧、コレステロール値、BMI(身長に対し適正な体重であるかを判定する評価値)などの対象者のビタミンD値に影響を及ぼし得る因子についても考慮した。2013年の研究終了時までに、1万人超の被験者が死亡した。

その結果、遺伝的なビタミンD値の低さと、あらゆる原因による早期死亡との関連が認められたが、心臓関連イベントとの関連はみられなかった。

研究グループは、心臓関連の障害による死亡は他の危険因子に起因するものであり、ビタミンD低値に関連する遺伝子変異によるものではないと結論づけている。ただし、この知見は予備的なものであり、さらに研究を重ねる必要があるという。

Nordestgaard氏らは、「無作為化介入試験で便益が明らかにされなければ、ビタミンDの補充を広く推奨することはできないため、この知見の臨床的意味は未だ限られたものである」と述べている。

付随論説を執筆した英国心臓病支援基金グラスゴー心血管研究センターの研究者らもこれに同意し、「この知見を確定するにはさらに多くのデータが必要である」と述べる一方、2017年にはビタミンD補充に関するいくつかの試験の結果が発表される予定だと付け加えている。


More information

The U.S. National Institutes of Health's Office of Dietary Supplements has more about vitamin D.

SOURCE: BMJ, news release, Nov. 18, 2014