2015年1月13日 19:41

 肝障害の原因として世界で最も多く見られるのは、非アルコール性脂肪肝疾患です。

この疾患は、ほとんどの場合、過体重または肥満である、糖尿病がある、コレステロール値が高い、トリグリセリド(中性脂肪)値が高い、という状態に関係していますが、こうした危険因子のいずれにも関係していない場合もあります。

非アルコール性脂肪肝疾患は、肝臓の腫脹をもたらすことがあり、それが肝硬変として知られる瘢痕に至り、結果としてガンに至る可能性もあります。それより重症の型は、非アルコール性脂肪性肝炎と呼ばれ、これも同じ原因に関係しています。どちらの病気も、無症状の場合がありますが、倦怠感、脱力感、吐き気、腹痛、食欲不振を伴うこともあります。

特効のある医学的治療法は知られていませんが、糖尿病を抑制することや、インスリン抵抗性と酸化ストレスに対処することなどが、治療法として勧められています。

非アルコール性脂肪肝疾患がある患者では、シナモンがインスリン増感剤(インスリンの抵抗性を改善するもの)として作用することが、新しい研究によって示唆されています。

この研究では、50人を対象として二重盲検プラセボ比較試験を行い、毎日、その半数に、1錠当たり750 mgのシナモンを含むカプセルを2錠、残りの半数にはプラセボのカプセル2錠を与え、これを12週間続けました。

 (Askari F, et al., Cinnamon may have therapeutic benefits on lipid profile, liver enzymes, insulin resistance, and high-sensitivity C-reactive protein in nonalcoholic fatty liver disease patients. Nutr Res. 2014 Feb;34(2):143-8. doi: 10.1016/j.nutres.2013.11.005. Epub 2013 Dec 6.)

シナモンについては、これまでにも、糖尿病患者における糖の抑制効果を調べる研究がいくつか行われました。その一つでは、シナモンのサプリメントによって、総コレステロール値に最大26%の低下が見られました。

この研究では、患者の全員に、バランスの取れた食事を実践する方法と身体活動を生活に取り入れる方法について助言しました。処置グループ(シナモンを与えたグループ)では、空腹時血糖値、総コレステロール値、トリグリセリド値、肝酵素値およびCRP値に有意な低下が見られました。処置グループとプラセボグループの両方において、LDL-コレステロール値の有意な低下が見られましたが、これはおそらく、食事と運動に関する助言を受けた結果と思われます。

 【コンクルージョン】

シナモンはインシュリンの活性を高めるため、糖尿病患者は、治療量のシナモンを摂る場合、用量を調節する必要があり得ることを知っておかなければなりません。

粉末度にもよりますが、小さじ1杯のシナモンの量は3グラム程度と考えられます。上記の研究にて与えられた用量はその半分、つまり1.5グラムでした。

スムージーを作るときにシナモンを入れ、果物のデザートにかけたり、シリアルや、そば粥にかけてもよいでしょう。(そばの実は、本当の穀物でなく、「種実」の一種であり、ヒマワリの種と同様で、小麦とは関係なく、グルテンは含みません)。