American Journal of Clinical Nutrition(米国臨床栄養雑誌)
非アルコール性脂肪肝疾患に対するプロバイオティックスの効果を調べたこの研究は、プロバイオティクスに腸内フローラ(intestinal flora 腸管内細菌叢?)と腸肝軸に対する調節作用があるという理由で提案されたものでした。
52人の患者を対象とした無作為化二重盲検プラセボ比較試験にて、その半数にプロバイオティクスのカプセル、残りの半数にプラセボのカプセルが1日2回、28週間にわたり与えられました。どちらのグループにも、低カロリー食と身体活動の勧告に従うよう、助言がなされました。
この調査期間が終了した時点で、どちらのグループにも、いくつかの改善が見られましたが、これはおそらく食事と身体活動に関連があると思われます。
しかし、効果が高かったのは、(プロバイオティクスを摂った)処置グループのほうで、プラセボグループと比較して、肝酵素値の減少率が3~5倍高くなっていました。また、CRP値の低下率も2倍高く、繊維化スコアにも有意な低下が見られました。
(Eslamparast T, et al., Synbiotic supplementation in nonalcoholic fatty liver disease: a randomized, double-blind, placebo-controlled pilot study. Am J Clin Nutr. 2014 Mar;99(3):535-42.)
【コンクルージョン】
プロバイオティクスには、腸管内に常在している多数の善玉菌が含まれます(腸内細菌を数に入れるなら、体内には、ヒト細胞以外のものがヒト細胞の10倍もあります)。
これは、消化、代謝、および疾患予防において、大きな役割を果たしています。最もよく見られるプロバイオティクスは、ラクトバシルス・アシドフィルス(アシドフィルス菌)とビフィドバクテリウム・ビフィドゥム(ビフィズス菌)ですが、他にもたくさんあります。
こうした善玉菌は、多くのヨーグルトに含まれており、そうしたものには、(単に「生きた菌を使って作った」だけでなく)「生きた菌が入っている」という表示がラベルにあります。
しかし、ほとんどの味付きヨーグルトは、健康にとっては糖分が多すぎるもので、また、菌数のばらつきがかなり大きい場合もありますので注意が必要です。