2015年2月11日 16:59
  

主要な3つのファストフードチェーンのメニューの栄養素に関する研究で、1996年から2013年までにカロリー、塩分、飽和脂肪にほとんど変化は見られないことがわかった。


米国農務省(USDA)、心血管栄養研究室のAlice Lichtenstein氏が率いる研究チームは、4つの人気ファストフードメニューを対象に、フライドポテト(S、M、Lサイズ)、チーズバーガー(2オンス、4オンス)、グリルチキンサンド、コーラ(S、M、Lサイズ)の計27品目について検討した。その結果、いずれの品もカロリー、塩分、飽和脂肪の含有量の平均値に17年で大きな変化がなかったという。

一方、好ましい傾向も認められた。第一に、フライドポテトに含まれる有害なトランス脂肪の値が低下したことがわかった。これは揚げ油の変更によるもので、「2005年から2009年にみられたトランス脂肪の減少は、法的な取り組みの成果と考えられる」とLichtenstein氏は述べている。

第二に、「レストランでは一人前の量が年々大幅に増えていると思われがちだが、今回評価したファストフード店にはそのような傾向はなかった」という。

肥満や健康の面で特に危険なのは、ファストフードの複数のメニューを一緒に注文する場合だという。栄養士が推奨する1日のカロリー摂取量は一般に2,000kcal前後とされるが、「フライドポテトとコーラがついたLサイズのチーズバーガーセットのカロリーは1,144~1,757kcalの範囲だった」とLichtenstein氏は話す。つまり、1回の食事で1日のカロリー所要量の88%に達してしまう可能性がある。さらに、チーズバーガーセットの塩分含有量の平均は、1日の推奨摂取量の91%になることもわかった。

しかし、チェーンによっても大幅な差が認められている。どの店で食事をするかによって、同じポテトのSサイズでも110kcal、ナトリウム320mgの差が出る可能性があるという。「1日100kcalの差は、1年でおよそ体重10ポンドの変化に相当する」とLichtenstein氏は指摘する。ファストフード業界は米国の人々の健康のため、徐々に一人前の量を少なくし、栄養組成を見直すなどの対策を取ることができるはずだと同氏は述べている。

USDAの支援により実施された今回の研究は、「Preventing Chronic Disease」に12月31日掲載された。


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There's more on maintaining a healthy weight at the U.S. Centers for Disease Control and Prevention.

SOURCE: Tufts University, Dec. 31, 2014, news release