2015年2月11日 17:03
  

喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)による呼吸障害のある40歳以上の米国成人の半数近くは未だに喫煙を続けていることが、米国疾病管理予防センター(CDC)のRyne Paulose-Ram氏らの報告で示された。

この結果は、喫煙で疾患が悪化している場合でも、禁煙を試みる喫煙者の多くが困難に直面していることを浮き彫りにしているという。40~79歳の米国人のうち、15%には何らかの肺閉塞(通常、喘息またはCOPD)がみられる。COPDは喫煙に関係することの多い進行性疾患で、慢性気管支炎と肺気腫という2大症状を伴い、米国人の死因第3位となっている。

2007~2012年の全米健康栄養調査(NHANES)のデータを検討したところ、この調査期間中、肺閉塞疾患を有する40~79歳の成人の約46%がまだ喫煙していた。「中等度または悪化した」疾患の症例のみをみると、喫煙率は55%にのぼった。喫煙率は男女で同等であり、学歴が低いほど高かった。CDCによると肺閉塞患者の喫煙率は、この疾患でない人の喫煙率(約20%)の2倍以上だった。

Paulose-Ram氏は、「喫煙により生じたり悪化したりする疾患の患者が、この致命的な習慣をなぜ続けるのか。問題は複雑で、変え難いことが多い。COPD患者の約40%に高度のうつ病や不安がみられ、治療と禁煙に従うことが難しい」と述べている。別の専門家は、COPD患者の禁煙を助ける最も良い方法は抑うつ治療だとしている。


More information

Find out more about COPD from the U.S. National Heart, Lung, and Blood Institute.

SOURCES: Patricia Folan, R.N., D.N.P., director, Center for Tobacco Control, North Shore-LIJ Health System, Great Neck, N.Y.; NCHS Data Brief, January 2015, National Center for Health Statistics, U.S. Centers for Disease Control and Prevention