2015年3月13日 16:02

低用量の鉄サプリメントにより、献血した後の鉄およびヘモグロビン濃度の回復が早まるとの報告が「JAMA」2月10日号に掲載された。米ピッツバーグ大学のJoseph Kiss氏らが、米国立心肺血液研究所(NHLBI)の資金援助を受けて実施した研究。

ヘモグロビンは鉄を豊富に含む蛋白で、赤血球内で酸素を運搬する。献血者は8週間ごとに血液1パイント(約500mL)を提供できるが、約25~35%の献血者では鉄欠乏症が発症する。これは疲労や貧血につながり、一時的に献血不適格となるという。

研究では、米国の4つの献血センターの成人献血者215人を、鉄濃度が高い群と低い群に分けた。各群の被験者の半数は献血後、低用量鉄サプリメント(38mg)を1日1回、24週間摂取し、残りは鉄サプリメントを摂取しなかった。

サプリメントを摂取しなかった群に比べて、摂取した群は低鉄濃度群、高鉄濃度群とも、献血前のヘモグロビン濃度まではるかに早く回復した(それぞれ5週間対23週間、4週間対11週間)。鉄サプリメントを摂取した献血者は摂取しなかった献血者に比べて、失った鉄の回復も早かった(11週間対24週間)。24週間後、サプリメントを摂取しなかった被験者の3分の2は献血で失った鉄を回復していなかった。

Kiss氏は、「今回の研究は、献血後鉄濃度を維持することの重要性を際立たせるもので、鉄補充が鉄濃度の高い献血者でもヘモグロビンを有効に回復させることを示している」と述べている。


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SOURCE: U.S. National Heart, Lung, and Blood Institute, news release, Feb. 10, 2015Last Updated: