2015年4月10日 19:19
    

アスピリン「抵抗性」のある人では、より広範囲かつ重度の脳卒中リスクがある可能性があることが、韓国、ハリム大学医学部(ソウル)神経学部のMi Sun Oh氏らの研究でわかった。

この研究は、4月に米ワシントンで開催される米国神経学会(AAN)年次集会で発表される予定。ただし、学会発表されたデータおよび結論は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

アスピリンは血栓予防に有用であるため、脳卒中リスクの高い人には低用量アスピリンを医師が処方することは多い。血栓ができると、脳に移動して脳梗塞を引き起こす可能性がある。

Oh氏らは、脳梗塞発症前に7日間以上アスピリンを服用していた310人を検討。アスピリン抵抗性は入院後24時間以内に調べた。

その結果、被験者の28%近くがアスピリン抵抗性を示していた。これらの被験者の脳卒中は脳卒中重症度スコアで3~11点であり、アスピリンが奏効した被験者では1~6点であった。また、アスピリン抵抗性患者では、脳卒中が影響を及ぼした脳の面積が奏効した被験者の約2倍だった。

アスピリン抵抗性が生じる原因は知られていない。他の研究では、5~45%の患者がこの問題を抱えていることが示唆されているが、日常診療ではアスピリン抵抗性の検査は行われていない。

Oh氏は、「脳卒中の発症前にアスピリンを服用していた患者において、アスピリン抵抗性は、脳卒中が重度・広範囲であることを予測する重要な因子だ。また、今回の研究から、アスピリン抵抗性の人における危険な血栓形成を予防するには、クロピドグレル(商品名プラビックス)などの異なる薬剤が必要だと示唆される」と話している。


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SOURCES: Mi Sun Oh, M.D., assistant professor, department of neurology, Hallym University College of Medicine, Seoul, South Korea; Ralph Sacco, M.D., chairman, neurology, University of Miami Miller School of Medicine; Feb. 23, 2015, news release, American Academy of Neurology