2015年5月14日 16:37
  

処方箋を要する麻薬性鎮痛薬(オピオイド)を妊娠中に使用すると、児が低出生体重や早産、新生児薬物離脱症候群(NAS)になるリスクが高まることがわかった。オピオイド鎮痛薬には、ヒドロコドン(日本国内未承認)、オキシコドン、コデイン、モルヒネなどがある。

米ヴァンダービルト大学(ナッシュビル)小児科助教授のStephen Patrick氏らの研究で、論文は「Pediatrics」オンライン版に4月13日掲載された。

2009~2011年のテネシー州のメディケイド・プログラムから、妊娠女性11万2,029人の診療録を分析した結果、約28%が妊娠中に1剤以上のオピオイド鎮痛薬を処方されていた。大多数はヒドロコドンなどの短時間作用薬を使用しており、ヘロインなどの違法麻薬中毒の維持療法を受けていた女性は3%だった。

オピオイド鎮痛薬を処方されている女性は、白人、頭痛または偏頭痛、筋骨格系の障害、抑うつ、不安障害、喫煙といった因子をもっている傾向があった。また、オピオイド鎮痛薬を処方された女性の42%、処方されていない女性の26%が妊娠中に喫煙しており、1日喫煙量が多いほどNASのリスクが高くなっていた。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を併用していた場合、NAS発症リスクは2倍になった。

児にNASがある場合、低出生体重のリスクは2倍になり、呼吸症状、摂食困難、発作がみられる可能性もはるかに高かった。Patrick氏は、「NASの児は入院期間が長く、合併症が多い。2000年から2009年の間に、オピオイド鎮痛薬の処方は4倍、NASの乳児数は3倍に増加している」と話している。


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The U.S. National Institutes of Health shares tips for a healthy pregnancy.

SOURCES: Stephen Patrick, M.D., M.P.H., M.S., assistant professor, pediatrics and health policy, division of neonatology, Vanderbilt University, Nashville; Jennifer Wu, M.D., obsetrician-gynecologist, Lenox Hill Hospital, New York City; April 13, 2015, Pediatrics, online