2015年7月16日 19:03
 

 米論文「柑橘系果物接種で皮膚がんリスク36%増」


健康に良いとさ れて いる結語系の果物。 その代表格 ともいえるオレンジやグレープフル ツをよく食べる人は、メ ラノーマ (皮膚がん)を発症するリスクが最大36%も増加するとの研究論文が米国で発表された。


論文をまとめた研究者らは、「柑橘系の果物が紫外線への感受性を高めて、人の皮膚細胞を傷付けやすくする成分を含んでいるため」とみている。


ただ、皮膚がんの防止には、こうした果物の摂取をいたずらに制限するより、日焼け止めや帽子などの使用が効果的だとも指摘している。

 

【紫外線への感受性高める】

ロイタ一通信や米NBCニュース(電子版)などによると、この研究論文は、米国臨床腫属学会 CASCO)の学会誌で629日に発表された。


調査は全米の女性63810人について19842010年まテキスト ボックス: -テキスト ボックス: -テキスト ボックス: ζテキスト ボックス: qテキスト ボックス: EJnu
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で、男性 41622人については19862010年までそれぞれ実施した。


対象者のうち、この約四半世紀に皮膚がんを発症した1840人について、オレンジとグレープフルーツの果実やジュースを飲む頻度や食生活習慣、健康状態などを調査・分析した。


柑橘系でもレモンやライムは調査対象外だった。

その結果、1週間に 24回、オレンジやグレープフルーツを食べたり、そのジュースを飲んだ人は、1週間に2回未満しか摂取しない人に比べて皮膚がんの発症リスクが10%増加。


1日平均1. 5回以上、取った人だと36%も上昇した。

リスクが高まった人のほとんどはオレンジジュースを飲み、グレープフルーツの果実を食べた人だったが、逆にオレンジの果実を食べ、グレープフルーツジュースを飲んでいた人はリスクが見られなかった。


同時に、他の果物や野菜、そのジュー スの消費量と皮膚がんの発症リスクには関連性がなかったことも判明した。


この研究結果について、研究者らは、柑橘系の果物などに合まれる光毒性物質で、人の皮膚の紫外線に対する感受性を高め、皮膚を傷付けやすくする 「フロクマリン」や「ソラレン」 が原因だと説明 している。


ソラレンは米国では1996年まで、日焼けローションの主要成分 として使われていた。さらに、米国人はもともとオレンジジュースの摂取量が多いうえ、グレープフルーツの場合、ジュースにした場合より、果実のまま食べた方が、これらの光毒性物質を多く摂取してしまうことが今回の結果につながったと分析している。

 

【量減らさず日焼け止めを】

研究結果を受けて、研究論文の主要執筆者の一人である米ブラウン大学ウォーレン・アルパト ・メデイカル・スクールの博士研究員、シャオウェイ・ウー氏は「グレープフルーツやオレンジジュースを大量摂取する人は、太陽に長時間、肌をさらすことを避けるよう注意を払うべきだ」と警告する。


また別の論文執筆者で同じメディカル.スクールのアプラー・クレシ博士も「肌の露出時間や被験者の居住地の地理的問題などもあるが、柑橘系の果物と皮膚がんとの関連性は高い」と指摘している。


しかし、研究者の一人でハーバード公衆衛生大学院のウォルター・ウィレット博士は「現時点で柑橘系の果物の摂取を止めることは(皮膚がん防止の)賢明な考え方とはいえない」と断言する。


アプラー・クレシ博士も「柑橘系の果物や野菜は健康維持に重要で、摂取量は減らすべきではない」としたうえで、「定期的に新鮮な柑橘系の果物を摂取しながら、野外では必ず日焼け止めや帽子、紫外線防護服を着用すべきだ」と強調した。


がんの中でも、世界で6番目、米国では 5番目に患者が多い度膚がんだが、あまり神経質になって、柑橘系の果物を摂取しなくなったりすると、逆にビタミン不足で健康を損ないかねない。 (sankei express 7/1