2015年7月 4日 19:59
  

死期の迫る患者がホスピスに入るかどうかの決定には、医師が強い影響を及ぼすようだと、新たな研究で明らかにされた。

今回の研究では、死期が近くホスピスケアに適格とされる米国のがん患者約19万9,000人の情報をレビューした。患者の平均年齢は78歳で、情報は2006~2011年に収集されたもの。

3分の2の患者がホスピスに入院していた。ホスピスを選択する患者の傾向として、女性、白人、高所得地域に住む人が多かった。

多くの患者をホスピスに入れている医師が担当している患者は、ホスピスに入る確率が高かった。患者や病院に関する因子、地理的な因子を考慮しても、ホスピスケアの利用率が上位10%の医師に担当される患者は、下位10%の医師に担当される患者に比べ、ホスピスに入る確率が27%高かった。

ただし、今回の研究では医師のホスピス利用率と患者選択との間に関連が認められたが、因果関係は明らかにされていない。

研究著者である米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院(ボストン)のZiad Obermeyer氏は、「われわれは、患者が診察を受けている医師が、その患者がホスピスケアに入るかどうかを予測する唯一にして最も重要な因子となることを突き止めた」と述べ、「この新たな情報は、終末期の患者ケアの質を改善し、進歩させるための明確な政策目標を提示している」と付け加えている。

さらに今回の研究では、約10%の医師が、全患者の約半分を見ていることが示されたという。「このことから、少数の医師を標的として、医師の専門性および担当患者のホスピス入院率に連動した介入を実施できることが示唆される」とObermeyer氏は述べている。


More information

The American Academy of Family Physicians has more about hospice care.

SOURCE: Brigham and Women's Hospital, news release, June 8, 2015