2015年7月 4日 20:24

 
ケルセチンは、特に、赤タマネギ、コリアンダー、ディル(イノンド)、クレソン、ソバの実、ケールに含まれているフラボノイドの一種です。それぞれ100グラム分に、コリアンダーなら55 mg、ディルなら53 mgのケルセチンが含まれています。同じく、赤タマネギには32 mg、クレソンには30 mg、ケールとソバの実にはそれぞれ23 mgのケルセチンが含まれています。比較的高い用量(800~1,200 mg)で用いると、アレルギー反応(の軽減)に役立ちます。また、白内障との関連が見られている糖タンパク質複合体の産生を減らせる可能性もあります。ケルセチンは、抗酸化作用のあるフラボノイドとして、他の予防効果をもたらす可能性も高く、このことは最近の研究で確認されています。

ある動物実験で、ラットを、グループ1=対照群、グループ2=化学的に前立腺ガンを誘発させるグループ、グループ3=化学的にガンを誘発させ、かつ、体重1 kg当たり200 mgのケルセチンを投与するグループ、グループ4=ケルセチン(体重1 kg当たり200 mg)を投与するグループのいずれかに割り当て、血清中のケルセチン濃度を測定した結果、ケルセチンのサプリメント添加により、ガンのマーカー値が正常に戻っていました。(Firdous AB, et al., Quercetin, a natural dietary flavonoid, acts as a chemopreventive agent against prostate cancer in an in vivo model by inhibiting the EGFR signaling pathway. Food Funct. 2014 Aug 28. [印刷物に先行した電子出版]) ケルセチンには、前立腺ガンの進行を予防する効果がありました。

ケルセトリン(ケルセチンから派生したもの)は、低比重リポタンパク質(LDL)の酸化を抑制し、アレルギー反応を防ぎます。実験室での細胞研究で、ケルセトリンには、一連の非小細胞肺ガン細胞における増殖抑制効果ならびにアポトーシス(プログラムされた細胞死)の促進効果があることがわかっています。こうした効果は、ケルセトリンの用量と、細胞の暴露時間の両方に依存していました。(Cincin ZB, et al., Molecular mechanisms of quercitrin-induced apoptosis in non-small cell lung cancer. Arch Med Res. 2014 Sep 1. pii: S0188-4409(14)00175-1. doi: 10.1016/j.arcmed.2014.08.002. [印刷物に先行した電子出版])


【コンクリュージョン】

ケルセチンのサプリメントは、200~400 mgを含むカプセルの形で市販されています。上気道のアレルギー、白内障の予防(低糖食と組み合わせればさらに効果的です)、炎症、ガンの予防と治療、および心臓の健康維持のため、用量をいろいろ変えて摂ることをお勧めします。