2015年8月19日 15:25
   

麻薬性鎮痛薬の短期処方から長期乱用に至るリスクが最も高い患者について、米メイヨー・クリニック(ミネソタ州)のW. Michael Hooten氏らが調べている。その結果、さして意外な結果ではないが、「薬物乱用の既往がある人」「現喫煙者」「元喫煙者」では服用が長期化する可能性がかなり高いことがわかったという。

とりわけ問題となっている薬剤は、オキシコドン(商品名:オキシコンチン)、ヒドロコドン(Vicodin、国内未承認)、コデイン、メタドンなどのオピオイド系鎮痛薬だ。Hooten氏らは、2009年にこの種の鎮痛薬の1つを初めて短期処方された患者293人の転帰を追跡した。

その結果、患者の4人に約1人が長期間、同薬を服用し続けていた。具体的には、短期オピオイド投与患者の21%は3~4カ月にわたり処方を受けていたが、6%は実は4カ月以上服用し続けていた。

喫煙歴や薬物乱用の既往がある人では、短期の疼痛治療が長期の薬物乱用プログラムへとつながるリスクが最も高いようだった。Hooten氏らは、ニコチンなどの化学物質への依存は、脳に対して麻薬性鎮痛薬と同じような作用をもつ可能性があるためだと考えている。

Hooten氏は、「現在、米国では鎮痛薬の乱用が流行しており、致死的な薬物の過剰摂取は、ヘロインとコカインを合わせたものよりもオピオイドのほうが多い。患者は、これらの薬剤に関連して生じうるリスクを学ばなければならない」と話す。

この報告は、「Mayo Clinic Proceedings」7月号に掲載された。


More information

There's more on abuse of opioid painkillers at the U.S. National Institute on Drug Abuse.

SOURCE: Mayo Clinic, news release, July 7, 2015