2015年9月16日 12:38

細菌が気になるなら、ビーチによくいく人は海よりも腰を下ろす砂を恐れる必要がある――こんな研究結果が、「Environmental Science & Technology」オンライン版に6月30日掲載された。米ハワイ大学(マノア)のTao Yan氏らの研究。

ハワイのビーチの水と砂を用いた研究で、大腸菌などの糞便汚染を示す細菌は水よりも砂に「多量」に認められた。Yan氏らによれば、過去10年の研究で、ビーチの砂の大腸菌レベルは付近の海水の10~100倍であることが判明したという。

同氏らは汚水で汚染されたビーチおよび海水の実験室シミュレーションを行い、大腸菌を含む全体的な細菌集団の経時的な変化を観察した。砂の検体は、オアフ島のクアロアビーチの満潮線の1.5フィート(約45cm)上側で入手した。

シミュレーションでは、細菌の減少は海水よりもビーチの砂ではるかに遅い傾向がみられた。これにより、通常、海水よりもビーチに大腸菌が多い理由の説明がつく可能性があるという。

大腸菌などの細菌が砂の中に長期間存在する理由について、Tan氏らは、排水中の細菌が砂の中の「バイオフィルム」に入り込みやすい可能性、および細菌の増殖を防ぐ効果のある日光が砂により遮られる可能性を挙げている。

Yan氏らは、「実際、排水で汚染されたビーチの砂は海水よりも、慢性的な細菌源となる可能性がある。水質モニタリングと公衆衛生に対する影響を評価するうえで、ビーチの砂は慎重に検討する必要がある」と述べている。


More information

The U.S. Environmental Protection Agency has more about beaches.

SOURCES: Environmental Science & Technology, June 30, 2015