2015年9月16日 12:56
  

運動により骨量の減少した中年男性の骨の健康が改善され、骨粗鬆症リスクが低減する可能性のあることが、米ミズーリ大学コロンビア校栄養・運動生理学部の Pam Hinton氏らの研究でわかった。論文は「Bone」オンライン版に6月16日掲載された。

男性では加齢に伴い自然に骨量が減少し、骨粗鬆症リスクが生じる。米国では約1,600万人の男性に骨量減少がみられ、200万人近くに骨粗鬆症が生じている。

研究では、骨量減少があるものの健康で活動的な中年男性38人に1年間、ウェイトリフティングまたはジャンプのプログラムを行ってもらった。いずれの場合も対象者は週1回、60~120分のトレーニングを行い、カルシウムおよびビタミンDのサプリメントも摂取した。

試験開始時、6カ月目、12カ月目に骨の健康を評価した結果、両群とも、6カ月目には全身および腰椎の骨量が有意に増加し、12カ月目も維持されていた。さらにウェイトリフティング群のみ、股関節の骨密度も上昇していた。

骨量減少以外は健康な中年男性において、骨量増加に運動を用いた介入が有効だと示した研究はこれが初めてという。

Hinton氏は、「骨は機械的負荷がかかった箇所のみが強くなる。そのため、股関節と脊椎に負荷をかけるスクワット、デッドリフト、ランジ、オーバーヘッドプレスをしてもらった。また、筋力をつけるために負荷を徐々に上げ、骨の反応を最大限にし続けるため休養の週も設けた。この介入は有効かつ安全で、たいていの人が実行でき、自宅で行うこともできる」と話している。


More information

The U.S. National Institute of Arthritis and Musculoskeletal and Skin Diseases has more about exercise and bone health.

SOURCE: University of Missouri-Columbia, news release, July 14, 2015