2015年10月20日 17:42
  

ウエストのサイズは腸内に住む特定の細菌に左右される可能性がある――こんな研究結果が「Circulation Research」オンライン版に9月10日掲載された。オランダ、フローニンゲン大学医療センター遺伝学准教授のJingyuan氏らの研究。

研究では18~80歳のオランダ人893人の便検体を分析し、対象者の腸内細菌叢を調べたところ、トリグリセリド値およびHDL値、BMIと関連する34種類の細菌が発見された。

Fu氏らは、腸の細菌叢によりBMI、トリグリセリド、HDLのばらつきの4~6%の説明がつくと推定している。腸内細菌は体脂肪レベルだけでなく、血中HDLコレステロール値およびトリグリセリド値の決定にも役立つ可能性がある。

腸内細菌がコレステロール値とトリグリセリド値に関係するという「確固たるエビデンス」を示した研究はこれが初めてだとFu氏は話す。ただし本研究は、細菌が直接、血中脂肪を変化させることを証明するものではない。

「微生物叢」は、腸内に自然に存在する膨大な数の細菌や微生物であり、消化や免疫機能を助けている。微生物叢の多様性が失われると、肥満や喘息、1型糖尿病などの疾患の一因となる可能性がある。

Fu氏らは、コレステロールや心疾患の他のリスク因子に関連する腸内細菌の機能の違いを解明するには、さらに膨大な研究が必要だとしている。


More information

The American Society for Microbiology has an overview of the human microbiome.

SOURCES: Jingyuan Fu, Ph.D., associate professor, genetics, University Medical Center Groningen, the Netherlands; Lea Chen, M.D., gastroenterologist, NYU Langone Medical Center, New York City; Sept. 10, 2015, Circulation Research, online