2016年1月17日 20:00
  

心臓の健康のために必要な、最低限のビタミンD値が特定されたという。この報告は、米インターマウンテン心研究所(ソルトレークシティ)のJ. Brent Muhlestein氏らにより、米オーランド(フロリダ州)で開催された米国心臓協会(AHA)の年次集会で発表された。


ビタミンDは、日光に曝露されたときに身体で自然に生成されるほか、魚や魚肝油、卵黄、一部の乳製品や穀物にも含まれる。サプリメントも1つの選択肢となる。以前の研究では、ビタミンD欠乏が心疾患、心臓発作、脳卒中のリスクを上昇させることが示されているが、どの程度の欠乏がリスクに関連するかは明らかになっていなかった。

今回の研究でMuhlestein氏らは、約23万人を3年間にわたり追跡調査した。その結果、心臓の健康のためには、ビタミンD値は15ng/mL超であればよいことが判明したという。

「従来、ビタミンD値は30ng/mL超が正常だと考えられてきた。しかし最近になって、15ng/mL超でも安全だと複数の研究者が提案しており、本研究でそれが裏付けられた形だ」と同氏らは述べており、さらに、「15ng/mL超を基準としても、まだ10人に1人はこの値を下回っている。ビタミンD値は血液検査で調べられる。今回の研究で、ビタミンDサプリメント摂取で最も恩恵を得られる患者群が判明した」と話している。

ただし、学会発表されたデータ・結論は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

More information

The U.S. Office of Dietary Supplements has more about vitamin D.

SOURCE: Intermountain Medical Center Heart Institute, news release, Nov. 9, 2015