2016年1月17日 21:39

米国FDAが医薬品成分 (シブトラミンなど) を含む製品に注意喚起 (151204)

【注意喚起および勧告内容】
2015年12月2日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) が医薬品成分 (シブトラミン、ジクロフェナク) を含む製品「Lipo Escultura」 (右記写真:米国FDAウェブページより加工転載) に注意喚起。米国FDAは当該製品を使用しないように、また、使用して体調に不安を感じている場合は医療機関を受診するように勧告。

【解説】
当該製品は痩身効果を謳ってインターネットを介して販売されていたが、医薬品成分であるシブトラミン、ジクロフェナクを検出。現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害については不明。

【関連成分】
シブトラミン (sibutramine)

シブトラミンは、1997年に肥満抑制薬としてアメリカFDAの許可を受けたが、日本では未承認。
副作用として血圧上昇および心拍数増加などが報告され、心臓病の方は服用を避けたほうがよいとされている。

アメリカ国内ではFDAの許可後、2003年8月までに54例の死亡事例 (うち30例は心血管が原因) が報告された。2005年8月、FDAはシブトラミンの使用停止に関する消費者団体の請願書に対し、シブトラミンの使用に細心の注意を呼びかけ、その安全性を監視することにより、引き続き医薬品として承認していくことを公表した。

しかし、心血管疾患歴のある患者では心血管疾患再発リスクが高くなるという欧州で実施されたSCOUT試験 (Sibutramine Cardiovascular OUTcome Trial) の結果をうけ、2010年10月、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでメーカーによる任意回収が決定。開発したメーカーはすでに販売・流通を中止している。2010年11月、インド医薬品規制当局 (Drugs Controller General of India、DCGI) も販売を禁止した。

ジクロフェナク (diclofenac)
非ステロイドの抗炎症薬。一般的に関節痛に使用されるが、胃腸障害や吐き気、胃痛や出血などの副作用が知られている。

■関連情報
米国FDAウェブページ (2015年12月2日、英語)
「Public Notification: Lipo Escultura Contains Hidden Drug Ingredients」