2016年2月18日 03:18
  

男性の性的能力を高める市販のサプリメントは、有効だという証拠はなく、危険となりうるものもある――こんな研究結果が、米ウェイクフォレスト・バプティスト医療センター(ノースカロライナ州)泌尿器学准教授のRyan Terlecki氏らにより報告された。

同氏らは、勃起、性欲、性的能力を高めることをうたう男性用サプリメントについて、よく売れている製品を特定し、成分を分析した。その結果、イカリソウ、チョウセンニンジン、DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)、イチョウ、コロハ、マカなどが含まれているものが多かった。これらの製品の多くには、性欲や勃起障害、性的能力を改善できることを裏付ける科学的根拠はなかったという。

Terlecki氏は、「こうした天然由来のサプリメントは、軽度の性機能障害の改善には有望だと思われるが、ヒトにおける根拠は不十分であり、不純物や効果の弱さも懸念されるため、患者にルーチンで勧めることはない」と話す。

また、「天然」とされる製品の一部は、バイアグラなどの処方薬に使われる成分であるホスホジエステラーゼ-5阻害薬(PDE5I)を微量に含んでいた。米国およびアジアで販売された男性機能改善のための市販品において、サンプルの81%でPDE5Iが認められたとする報告もあったという。

「PDE5Iは、医師の指導のもとで使わなければ、不適切な使用によるリスクが生じる可能性がある。たとえば重度の心疾患があり、ニトログリセリンなどの硝酸薬を服用する患者では、危険な血圧低下が生じうる。重度の肝障害や末期腎不全の患者も服用を避けるべきだ。また、前立腺肥大治療薬のタムスロシン、テラゾシンなどとPDE5Iを併用すると、めまいや転倒のリスクがある」と、同氏は警告している。

本研究は「Journal of Sexual Medicine」オンライン版に2015年11月3日掲載された


More information

The U.S. National Institutes of Health has more about male sexual problems.

SOURCE: Wake Forest Baptist Medical Center, news release, Jan. 11, 2016