2016年2月18日 03:35

 競技スポーツの選手は一生懸命練習し、食事にも気を遣い、さらにプロテインパウダーやドリンク剤などサプリメントを利用してパーフォーマンスを最大化しようと試みる。しかしながら、こういった際に利用されるサプリメントは本当に効果的なのだろうか? 

『化学・工学ニューズ』誌の編集者M.M.ボンガードナー氏によれば、アスリートのパーフォーマンスアップをターゲットにした栄養製品の市場は年率5%程度の増大をしているという。米国の2014年の調査では63億ドル(約7,300億円)にも達しているのだ。主要な製品であるプロテイン・パウダーから、新規に参入してきたようなグレープシードエキスまで、アスリートには広範な選択肢が存在している一方で、製造業者の広告が多分に含まれた売り出し文句を検証するための情報源はあまり多くない。

臨床的なエビデンス(存在するならの話だが)を探しだし、評価するのは消費者の責任になっていて、自己判断の下にその製品が利用するに値するのかどうかを判断しなくてはならない。

サプリメントについての臨床的研究は市場化のプロセスにおいてより重要になりつつある。が、その臨床試験のプロセス自体が未だに未完成のものである。つまり、専門家によればこれらの臨床試験の被験者数は一般化を行うためには少なすぎるということがあるのだ。

さらに、これまでに公刊されている研究をもとにしたものであっても、これらの研究で用いられている検査値は血液性及び尿からのバイオマーカーであり、これらは必ずしもパーフォーマンスの改善を反映しているとは限らないのである。つまり、これらのサプリメントの安全性や効果性については多分に疑問が残るというのが現状であるのだ。