2016年2月20日 09:00

山本信夫会長

 

 日本薬剤師会は1月13日、都内で新年賀詞交歓会を開いた。あいさつに立った山本信夫会長は、「当初、マイナス改定が必至ではないかという、半ば確信に近いことがずいぶんと言われていた」16年度診療報酬改定率について、国会議員や行政などへの働きかけにより、「何とか10.3という従来の比率だけは守ることができた。十分に日薬としての働きはしたつもり」と成果を強調した。

 

 一方で、改定の別枠で実施される「大型門前薬局等の評価の適正化」によって約40億円(国費)が削減されたことを念頭に「残念ながら私どもの仲間である何軒かの薬局がそこにかかってしまうという意味では、会長としては忸怩たる思いがある」との心情も吐露した。

 

 薬局や薬剤師に向けられた、「様々な指摘を真摯に受け止め、高齢化がピークを迎える2025年の地域医療提供体制を守るため、地域包括ケアの中で期待される役割を果たすことを目指す」と強調し、「都道府県薬剤師会、会員の協力を得て、確固たる地固めをして、次代に引き継げるよう、執行部の先頭に立って事業を進めていきたい」と述べた。

 

 厚生労働省の中垣英明医薬・生活衛生局長は、同省が昨年まとめた「健康サポート薬局」「患者のための薬局ビジョン」を踏まえ、日薬に対して、「薬局全体を引っ張っていく立場として、研修の実施など、様々なことをお願いすることになると思う」とし、協力を求めた。