うつとガンに対するクルクミンの効果
昨年公表された研究論文で、クルクミン(ターメリック・エキス)のサプリメント摂取による効果を示したものが2本あり、うつの治療効果、ガンの予防効果、およびガンの治療に役立つ可能性について情報が提供されています。
うつへの効果を調べた研究は、大うつ病性障害の患者50人に、クルクミンのエキス(500
mg
を1日2回)もしくはプラセボを8週間与えたもので、IDS-SR30と呼ばれるうつ状態自己評価尺度を用いてうつの重症度を測定しました。この研究では、尿中バイオマーカー値と血液バイオマーカー値も測定されました。
8週間後の検査の結果、クルクミンを与えたグループでは、プラセボグループと比較して、IDS-SR30のスコアに有意な改善が見られました。うつと関連のあるバイオマーカー値も、クルクミンのグループでは低下していました。(Lopresti
AL, et al., Curcumin and major depression: a randomised, double-blind,
placebo-controlled trial investigating the potential of peripheral biomarkers to
predict treatment response and antidepressant mechanisms of change. Eur
Neuropsychopharmacol. 2015
Jan;25(1):38-50.)
上記と同じ論文執筆者のグループがそれより前に行った試験では、上記と同じ用量のクルクミン・エキスのサプリメント摂取により、4週間後と8週間後の両方の時点で、IDS-SR30の総スコアならびに気分を示す特定のスコアに有意な改善が見られました。(Lopresti
AL, et al., Curcumin for the treatment of major depression: a randomised,
double-blind, placebo controlled study. J Affect Disord.
2014;167:368-75.)
ガンの予防と治療に対するクルクミンの効果を示した研究はいくつかあり、2月に公表されたレビュー研究では、クルクミンを、様々な腫瘍の発生・進行・転移を抑制するポリフェノール性抗炎症物質として評しています。その執筆者の説明によると、こうした抗ガン作用は、ガン促進分子の負の調節を介してもたらされるということです。
また、これはガン細胞の増殖を食い止め、アポトーシス(プログラムされた細胞死)を誘発し、血管形成(腫瘍に栄養を送るための新しい血管の増殖)を抑制します。(Shanmugam
MK, et al., The multifaceted role of curcumin in cancer prevention and
treatment. Molecules. 2015 Feb 5;20(2):2728-69.)
【コンクリュージョン】
約500
mgのクルクミン(ターメリックの標準エキス)を1日2回と良いでしょう。また、いろいろなカレー料理を味わうのも好きで、これはカレーに含まれるターメリックを摂るためでもあります。
クルクミンは吸収がとても良いわけではないので、1回に多く摂る必要がありますが、かなり高用量で摂取してもきわめて安全です(ある研究では1日当たり6,000 mgという量を用いて、乳ガン患者の放射線皮膚障害の治療に成功しています)。
一部のガン専門医による主張に反し、(クルクミンなどを含む)抗酸化物質は、化学療法の効果を妨げるものではなく、実際にはその効果を高め、副作用の予防に役立ちます。