2016年5月 9日 18:38
 

2015-05-14

ニューヨーク(ロイターヘルス) - Belatacept(Nulojix、Bristol-Myers Squibb)を含む免疫抑制レジメンで治療された患者は、シクロスポリンを含む標準レジメンで治療された患者に比べて、腎移植から7年後の時点での死亡または移植片喪失が統計的有意に43%減少した。

BENEFIT試験で得られた7年間のデータから、belataceptは、腎機能に対してシクロスポリンを統計的有意に上回る持続的効果をもたらすこと、ならびに安全性に対する新たな懸念はないことが示された。

今回のデータは、University of California, San FranciscoのDr. Flavio Vincentiが、5月6日に2015 American Transplant Congress(ATC)(ペンシルバニア州フィラデルフィア)の本会議で発表した。

Belataceptは、米国食品医薬品局(FDA)の認可を受けた初の選択的T細胞共刺激遮断薬である。同薬剤は、腎移植を受けたEpstein-Barrウイルス(EBV)血清反応陽性の成人患者に対してのみ、(臓器移植の)拒絶反応の予防のため、バシリキシマブによる導入療法、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)およびコルチコステロイドと併用投与される。

BENEFIT試験はBristol-Myers Squibbから資金提供を受けた36ヵ月に及ぶ臨床試験であり、84ヵ月という長期にわたってフォローアップが行われた。同試験では、生体ドナーまたは標準的ドナー適応基準に適合した死体ドナーから腎提供を受けた成人666人を登録した。全ての患者に対し、バシリキシマブによる導入療法、MMFおよびコルチコステロイドと併用して、belataceptまたはシクロスポリンを投与した。

「80年代前半にシクロスポリンによる導入療法が開始されて以降初めて、同新規薬剤は多施設無作為化試験という状況下で、5年目および7年目の長期アウトカムに影響を及ぼした」とDr. Vincentiはロイターヘルスとの電話で語った。

「5年目および7年目の両時点で、belataceptを投与された患者の移植片生着率には有意な改善が認められた。つまり、患者は生存しており、かつ移植片が機能していた。7年目のbelatacept群とシクロスポリン群を比較したところ、ハザード比は0.57となった。つまり、belataceptを投与された患者の移植片喪失リスクの方が43%低いということである」と同研究者は指摘した。

「過去に報告されたbelataceptの別のベネフィットは、腎機能、つまり糸球体濾過率の維持である。これは非常に重要である。それは、どの一時点でも腎機能が良好であるほど腎が長期間生着すると推測できるという理由からだけでなく、腎機能が低いほど病的状態および心血管疾患と関連しているという理由もある」と同研究者は述べた。

「今回のデータによって、belataceptの有益な影響が総合的な視野で見られるようになると考えている。また、移植センターの一部の医師は、今後、belataceptの投与を再評価し始めると考えている。我々は往々にして短期的な見方をするが、それは、1種の薬剤/レジメンで長期アウトカムを改善できるなどと思いもしなかったためである。しかし、今や、それがbelataceptによって可能であることが立証された」とDr. Vincentiは述べた。

Columbia University(ニューヨーク)腎・膵移植プログラムの医長であるDr. David Cohenは、今回のデータを「非常に印象的」と評した。

「Belataceptが我々の治療手段に付加価値を与えることは間違いない」と同研究に関与しなかったDr. Cohenはロイターヘルスとの電話で語った。

Belataceptが2つの異なる方法で投与されるのを目にしたことがある、と同氏は述べた。1日目から患者に同薬剤の投与を開始するという方法か、標準薬で問題が生じた場合に後から同薬剤に切り替えるという方法のいずれかである。「同薬剤は標準薬に代わる優れた選択肢であり、多くの患者に手始めに投与するべき極めて優れた薬剤である。ここColumbiaでは、いずれの投与方法も採用している」と同氏はロイターヘルスに語った。

「Belataceptは、自分のやり方に単に固執しているのではないかと考える以外に特別な理由はないようにみられるが、臨床移植において広範に投与されていない。この分野では、数多くの企業にとって新薬を発売し、使用してもらうことが困難であるという興味深い問題がある。それは、投与経験のある薬剤に依存しているためであるが、我々はおそらくこの状況をある程度見直す必要があるのだろう」とDr. Cohenは述べた。

「試験に採用される患者は経過良好である傾向にあり、非常に綿密にモニタリングされている。したがって、それをどの程度一般集団への投与につなげることができるのかは、やや未解決の問題である。しかし、belataceptによってもたらされる結果が持続しないと信ずる特別な理由は何もない」と同氏は補足した。