健康に良い食事をして、栄養素とフィトケミカルをできるだけ多く摂ることが望ましいのですが、栄養素によっては、食事から摂るだけでは、効果をもたらすほどの量を摂ることが難しいものもあります。
非常に健康的な食事を選んでいる人であっても、たとえば、ビタミンCとビタミンDの2つは、食事から十分な量を摂るのは難しいのです。
その他の栄養素とフィトケミカルの中にも、環境暴露(汚染や過度の日光暴露)やストレスの影響や、特定の病気に対する遺伝的素因から身を守る特異的な効果をもたらすものがいくつかあります(ただし、疾患に対する遺伝的素因というのは、質の悪い食事や喫煙、アルコールの過剰摂取、運動不足というような不健康な生活習慣の選択肢と比べれば、はるかに小さな要因にすぎません)。
米国のほとんどの人は、理想的な食事を摂っていないため、サプリメントの重要性がさらに高いのかもしれません。
米国式の食事をしている場合、ビタミンEという栄養素は食事から摂るだけでは不十分であることが、ある新しい研究でわかっています。ビタミンEは、脂溶性の抗酸化物質で、フリーラジカルによる損傷から細胞膜を守ります。血中ビタミンE値が低いと、死亡率と心疾患率が高くなるという関連が見られています。
米国の成人の90%以上は推奨されている量のビタミンEを摂っていないため、研究者たちは、ビタミンEを「不足栄養素」の1つとみなしています。ビタミンE量が十分である状態とは、血清ビタミンE値が1リットル当たり30マイクロモル(30
ɥmol/L)以上の場合をいい、一方、12
ɥmol/L未満であれば欠乏しているとみなされます。
上記の分析研究では、米国健康・栄養調査(NHANES、2003~2006年)にもとづき、ビタミンEが臨床的欠乏状態にある人の割合と、ビタミンE量が十分ではない人の割合の両方を調べることを狙いとしました。
臨床的欠乏状態とみなされた人の割合はごくわずかでした。しかし、ビタミンEの摂取源が食品のみであったグループの平均血清ビタミンE値は24.9
ɥmol/Lに過ぎませんでした。一方、食品とサプリンメントの両方からビタミンEを摂っていたグループの平均血清ビタミンE値は33.7
ɥmol/Lでした。
調査の結果、20~30歳のグループのうち87%は、ビタミンE値が不十分な状態でした。51歳以上のグループでは、血清ビタミンE値が不十分であった人の割合は43%でした。
ビタミンEを食品のみから摂っていたグループと、食品とサプリメントの両方から摂っていたグループとの差は、年齢、性別、人種・民族の違いを超えて一貫していました。(McBurney MI, et al., Suboptimal serum α-tocopherol concentrations observed among younger adults and those depending exclusively upon food sources, NHANES 2003-20061-3. PLoS One. 2015 Aug 19;10(8):e0135510).
【コンクリュージョン】
一般に、食品におけるビタミンEの含有量は非常に少ないのです。ビタミンEを最も多く含む食品は、ヒマワリの種とアーモンドですが、1カロリー当たりの含有量で見ると、ホウレンソウ、ビートの若い葉、アスパラガス、カラシナ、スイスチャードに最も多く含まれています。
食品中に見られるビタミンEの形態には、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロールがあります。そのうち、食事に最も多く含まれているのはγ-トコフェロールで、これはα-トコフェロールからは得られない効果をいくつかもたらします。
γ-トコフェロールを多く(1日当たり400 IU)含むサプリメントを摂ることが望ましいでしょう。ビタミンEは高用量でもきわめて安全性が高く、1日当たり3,000 IUという量を与えた場合でも何の副作用も見られていません。
また、トコフェロールを1日当たり2,000
IU摂るとアルツハイマー病の進行が遅くなる可能性があることが、いくつかの研究でわかっています。コエンザイムQ10の高量摂取にも同様の効果があり、これはパーキンソン病の進行遅延にも役立つ可能性もあります。