2015-05-15
(ロイターヘルス) - 骨粗しょう症患者が突発性難聴を発症する可能性は、この骨疾患に罹患していない人の約2倍に上る可能性がある、と台湾の研究者らは述べている。
この突発性難聴の原因は不明であるが、急性難聴は通常、一側性である。米国人には毎年、5,000人に約1人の割合で発生していると推定されている。
「外来診療という臨床現場において、我々は数多くの骨粗しょう症患者に遭遇している。こうした患者の一部が聴力障害を訴えるため、関連研究および関連論文の調査に着手した」と主著者であるDr. Kai-Jen Tienはロイターヘルスへの電子メールに記した。
「過去の報告によると、因果関係が存在すると考えられる。しかし、これらの2種の疾患のリスク関係は明らかではない」とChi Mei Medical Center(台南)の内分泌学者であるTienは述べた。
Tienらはthe Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism誌4月16日号掲載の同研究で、台湾の居住者ほぼ全員について診療報酬明細書のデータを解析した。
同研究者らは、1998〜2008年に骨粗しょう症と診断された10,660例と、類似しているが骨粗しょう症ではない患者から無作為に選択した31,980例を比較した。
同研究者らがこれらの患者全員を2011年まで追跡調査したところ、突発性難聴と診断されたのは、骨粗しょう症群では91例であるのに対し、はるかに人数の多い対照群では155例であることを見出した。
この突発性難聴発生率を1万人・年当たりに換算したところ、骨粗しょう症群は約10人、非骨粗しょう症群では約6人となった。
「今回の主な結果から、骨粗しょう症患者の(突発性難聴の)発生率は比較群の約1.76倍に上昇していることが見出された」とTienは述べた。
さらに、重度骨粗しょう症患者の突発性難聴リスクは軽度の骨疾患患者より増大している可能性がある、とTienは指摘した。
「(骨粗しょう症の)早期発見早期治療によって突発性難聴リスクを低減できるのか、という問いに、今回の研究をもって回答することはできない。さらなるプロスペクティブ介入研究を行って、この疑問を解決するべきである」とTienは述べた。
骨疾患と難聴の間にどのような関連性があるのかも解明するため、さらなる研究を行う必要がある。
医師は骨粗しょう症患者の難聴を見落とすべきではなく、一方、骨粗しょう症患者の側は聴力低下の疑いを持った場合にすぐに援助を求めるべきである、とTienは述べた。
Massachusetts Eye and Ear Infirmary(ボストン)の医長であるDr. Steven Rauchは同研究の「極めて堅固な」方法論を称賛したが、「同研究全体を通して、突発性難聴の発生率はこれまで西欧や米国で報告されている発生率の5〜10倍に高くなっている」と指摘した。
また、両群のリスクの差(1万人・年当たり4人)は実に非常に小さい、と同研究に関与しなかったRauchは述べた。
「小さな数値であるため、突発性難聴に関する我々の基本的な理解が何ら深まったわけではない」と同氏は述べた。
骨粗しょう症に対する治療を受けている患者の難聴発生率の方が、骨粗しょう症治療を受けていない患者より高い点も興味深い、とRauchは述べた。
突発性難聴には数多くの原因があり、医師が必ずしも原因を確定できるわけではない、とRauchは述べた。しかし、突発性難聴は緊急事態である、と同氏は強調した。
「治療可能な期間は短く、わずか2〜4週間である。その期間内であればステロイドで治療することができる。2週間以内に治療すれば、患者の約75%が聴力の一部を回復できるが、その期間を過ぎてしまうと手遅れになる」と同氏は述べた。
ひとつの問題は、突発性難聴がちょうど鼻かぜ、飛行機内での耳の閉塞感、あるいは耳垢栓塞と同じように感じられる点である、と同氏は補足した。そのため、恐ろしい症状ではないと判断され、診断が遅れて、治療が有効である期間が過ぎてしまうことが多い。
Rauchは、突発性に耳の閉塞感を来した患者を識別するための簡単な検査について説明している。
「ハミングをしてもらい、閉塞している方の耳で自分の声が増幅して聞こえたら、心配することは何もない。おそらく耳垢か液体が溜まっているのだろう。問題のない方の耳で自分の声が増幅して聞こえたら、それは緊急事態である」と同氏は述べた。
SOURCE:http://bit.ly/1GUJfuP
J Clin Endocrinol Metab 2015