2015-05-14
(ロイターヘルス) - 喫煙は糖尿病リスクを上昇させ、禁煙は数多くの健康ベネフィットをもたらすが、禁煙後の糖尿病患者は症状のコントロールが一時的に困難となる可能性のあることが、英国の研究から示されている。
同研究の研究者らは英国の喫煙する成人糖尿病患者10,692人の診療記録をレビューし、禁煙によって、体重増加を原因とせずに血糖値が上昇し、3年間持続したことを見出した。
「我々は喫煙が糖尿病発症リスクを上昇させることを知っているため、禁煙すれば、物事が即座に改善すると期待する。しかし、血糖コントロールに関しては、改善する前にやや悪化することを我々は見出した」と主著者であるCoventry University(英国)健康生命科学部のDr. Deborah Lycettは電子メールで述べた。
Lycettらは禁煙がヘモグロビンA1c値に及ぼす影響を調べた。同研究の被験者は女性よりも男性が多く、大半が白人であった。2005年の観察期間開始時には、被験者の平均年齢は62歳、糖尿病罹病期間は約6年であった。多くの被験者が少なくとも1種類の血糖降下薬を服用していた。
被験者には、禁煙を1年以上維持していた患者3,131人が含まれた。年齢、性別、および体重などの因子で補正しても、禁煙後最初の1年間にヘモグロビンA1c値の有意な0.21%上昇が認められた。
長期的には、血糖値は徐々に低下した。3年後までに、禁煙後の糖尿病患者は喫煙を続けた患者と同等の血糖値を示すようになった。
同研究者らは禁煙関連の体重増加を考慮に入れたが、それでもやはり、初期の血糖値上昇は体重増加または食事の変化と関連がある可能性があった、と同研究者らはthe Lancet Diabetes and Endocrinology誌4月29日号オンライン版で述べた。
禁煙により血糖値が短期的に上昇することを立証することによって、診療または喫煙者への推奨事項が変わる可能性は低い、とUniversity of Bristolのタバコ研究者であるAmy Taylorは論説で述べている。
禁煙によって直接的に血糖値が上昇するのではないとしても、禁煙は血糖値に影響を及ぼす食物への渇望を生じさせる、とNorth Shore University Hospital(ロングアイランド)のCenter for Tobacco Control所長であるPatricia Folanは電子メールで述べた。
「喫煙しているときは、基本的には喫煙する度に食欲抑制剤(ニコチン)を服用していることになる」と同研究に関与していないFolanは電子メールで述べた。「重度喫煙者では、これは1日20〜40回となるだろう」
血糖値上昇リスクを最小とするために、糖尿病の喫煙者は、禁煙する前に健康的な食習慣および運動習慣の確立に集中し、次に禁煙後にニコチンへの強い欲求および血糖値をコントロールするための薬剤服用を考慮すべきである、とFolanは述べた。
「禁煙のベネフィットは、生じる可能性のある追加的で短期的な血糖値上昇リスクよりもはるかに大きい」と同研究には関与していないUniversity of Wisconsin School of Medicine and Public Health(マディソン)の心血管疾患研究者Dr. James Steinは電子メールに記した。「禁煙する喫煙者は、血糖コントロールを悪化させるリスク因子、すなわち体重増加、砂糖や炭水化物を多く含む食事を回避するよう注意するべきであり、また運動するべきである」
SOURCES: http://bit.ly/1DMDV9s and http://bit.ly/1F4lYXY
Lancet Diabetes Endocrinol 2015.