セレンは、食事で摂取する必須微量元素で、抗酸化性があります。抗酸化酵素であるグルタチオン・ペルオキシダーゼの活性に必要なものであり、また、ビタミンCの再利用にも役立ちます。
ガン予防にも役立つ可能性があります。セレンを摂ることができる最も健康的な食品には、全粒穀物と種子類、ならびにブラジルナッツがあります。ブラジルナッツには、このミネラル(セレン)がことのほか多く含まれています。栄養素密度(1カロリー当たりの栄養素量)という点では、クリミニマッシュルーム(まだ小さいポータベラ茸)が最も多くセレンを含んでいます。
血清中のセレン値が十分であると健康への効果があることが、最近の研究でわかっています。スウェーデンで行われたこの研究では、高齢の被験者668人を調べ、各自の血清セレン値を測定した後、6.8年間追跡しました。被験者の平均血清セレン値は1リットル当たり67マイクログラム(67
μgm/L)でした。
スウェーデン政府は国民の健康改善のため、もう何十年も栄養情報を提供する運動を展開していますが、それにもかかわらず、この値は比較的低いセレン摂取量に相当します。
上記の研究では、その終了時に、あらゆる原因による死亡率と循環器疾患による死亡率について、血清セレン値との相関を調べました。セレン値にもとづいて被験者を4等分したところ、セレン値が下位4分の1にあったグループでは、上位4分の1にあったグループと比較して、あらゆる原因による死亡率が43%高くなっていました。
また、循環器疾患による死亡率については、56%高くなっていました。(Alehagen
U, et al., Relatively high mortality risk in elderly Swedish subjects with low
selenium status. Eur J Clin Nutr. 2015 Jun 24. doi: 10.1038/ejcn.2015.92.
[印刷物に先行した電子出版])
これと同じ研究グループが以前に公表した5年にわたる前向き研究では、セレンとコエンザイムQ10のサプリメント摂取後に、循環器疾患による死亡率に有意な低下が見られています。
サプリメントを与えたグループの死亡率は、プラセボグループの半分未満(5.9%対12.6%)でした。(Alehagen
U, et al., Cardiovascular mortality and N-terminal-proBNP reduced after combined
selenium and coenzyme Q10 supplementation: a 5-year prospective randomized
double-blind placebo-controlled trial among elderly Swedish citizens. Int J
Cardiol. 2013 Sep 1;167(5):1860-6. doi: 10.1016/j.ijcard.2012.04.156. Epub 2012
May 23.)
【コンクリュージョン】
セレンは多くの食品に含まれていますが、その含有量は、食物の生育場所によって異なります。私たちが食べる食品は、国中の至る所(そしてまさに世界中)から供給されていますが、土壌中のセレン濃度が低い地域(米国の場合はニューイングランド地方、南東部、また、南西部の下側、北西部の各州など)では、食品からのセレン摂取量は一般的に低くなります。
土壌中のセレン濃度が高いのは、中西部の上側、ノースダコタ州とサウスダコタ州、モンタナ州、コロラド州、その他の隔離領域くらいです。
1日当たり200 μgのセレンをサプリメントで摂っていますが、これは多くのマルチビタミン+ミネラル剤や、単一のサプリメントに含まれている量です。サプリメントでは、(アミノ酸であるメチオニンと結合させた)セレノ-メチオニンがよく見られ、比較的良く吸収されます。