オメガ-3脂肪酸を豊富に含む魚油サプリメントが、抗うつ薬の効果を向上させる可能性があることが、8件の臨床試験をはじめとするエビデンスをレビューした研究で示唆された。
研究を率いたオーストラリア、メルボルン大学ARCADIAメンタルヘルス研究センターのJerome Sarris氏は、「抗うつ薬と併用した場合、プラセボに比べて魚油には統計的に有意に高い効果が認められた」と述べている。
今回の研究では、うつ病患者に標準的な抗うつ薬と魚油サプリメント、または抗うつ薬とプラセボのいずれかを投与して比較した試験の結果を検討した。「治療の主流とみなすことのできる、エビデンスに基づいた安全なアプローチであることが認められた。これは期待のもてる知見だ」とSarris氏は説明している。
Sarris氏によると、オメガ-3脂肪酸は脳全体によいものであり、気分を向上させることが多くの研究から明らかにされているが、抗うつ薬との併用について検討した複数の研究を分析したのは今回が初めてという。
科学的根拠の欠如や安全性に関する懸念から、抗うつ薬と併行してサプリメントを処方することに消極的な医師もいるが、これらの併用に大きな安全面の懸念は認められなかった。
しかし、患者はサプリメントを使用する前に必ず医療従事者に相談する必要があると、同氏らは強調している。また、サプリメントの品質はさまざまであることも認識しておく必要がある。
「急いでサプリメントを大量に買いに行くことを勧めているのではない。治療を変更したり、新たに始めたりするときは必ず医療専門家に相談すること」と、Sarris氏は助言している。
米コーエン小児医療センター(ニューヨーク州)のVictor Fornari氏は、「うつ病患者の大部分は1~2種類の薬剤治療を試みても寛解に至らない。今回の方法により、抗うつ薬だけでは効果のみられない患者の回復を促進できる可能性がある」と話している。
この研究は「American Journal of Psychiatry」に4月26日オンライン掲載された。