2016年6月20日 15:52

食事性脂肪には、飽和脂肪と不飽和脂肪があります。不飽和脂肪は概して液状(油)であり、飽和脂肪は固形です。一価不飽和脂肪(オリーブオイルなど)は、保管温度によって液状の場合も固形の場合もあります。人工的に飽和させた脂肪(半硬化植物油)には、自然に発生することのない「トランス」脂肪という有害物質が含まれています。

一部の脂肪は、健康に不可欠でありながら体内では作られないため、食事で摂る必要があります。そうした脂肪は、髪や皮膚の生育を促し、骨の健康維持に重要であり、代謝をコントロールし、生殖機能を支えます。

ほとんどの人は脂肪の摂り過ぎですが、カロリーの過剰摂取による健康リスクに加え、残念なことに、こうした脂肪は高度に加工されていて十分な量の必須脂肪酸が含まれていないことが多いのです。

食事性の必須脂肪には、オメガ3とオメガ6と呼ばれるものがあり、これは多価不飽和脂肪酸(PUFA)としても知られています。亜麻の実、クルミ、大豆には、オメガ3の油である「α-リノレン酸」(ALA)が豊富に含まれています。

ALAは、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)の前駆体です。EPAとDHAは、イワシやサケなど、脂分の多い魚に自然に含まれていますが、人間の体内でも、酵素が活発に働いていればALAから作られます。こうしたオメガ3の副生成物は、炎症の軽減をもたらす可能性があります。

オメガ6脂肪酸(シス-リノレン酸、cLA)は、トウモロコシや大豆のほか、多くのナッツ類と種子類(亜麻、ヒマワリ、ゴマの実など)に含まれています。この場合も、市販の油の多くは高度に加工されていて、栄養価が低下しています。cLAは、体内でγ-リノレン酸(GLA)に変換されます。

この変換プロセスは、(EPAやDHAの変換と同じく)酵素の状態に左右されますが、酵素の活性は、加齢や疾患、栄養欠乏などの状態によって低下することがあります。そうすると、上記の物質(EPA、DHA、GLA)はすべて生成量が低下し、こうした物質によって作られる調節分子の生成量も低下します。

GLAは、抗炎症作用のあるプロスタグランジン(PGE1など)の前駆体であり、そのサプリメント摂取による特定の効果を示した以前の研究結果のいくつかが、最近行われた研究で裏付けられました。GLAは、月見草オイル、ボラージシードオイル、ブラックカラントシードオイルに含まれています。

こうしたオイルはすべて、サプリメントとして入手でき、慢性炎症、湿疹、ドライアイ症候群、喘息、糖尿病および関節炎の治療と予防に役立つ可能性があります。慢性炎症そのものは、アテローム性動脈硬化症、認知症、糖尿病、パーキンソン病、ガンなどの疾患を引き起こす一因となる疑いがあります。

GLAサプリメントの抗炎症作用は、関節リウマチ、乾癬および湿疹の予防と治療に役立ちます。また、関連効果として、血管を拡張して、血行を良くし、血小板の粘着を減らすのに役立ちます(そのためにアスピリンなどの薬を使っている人もいます)。GLAはまた、糖尿病患者の神経伝導に改善をもたらし、感覚異常(しびれやうずき)を軽減する可能性もあります


。(Kapoor R, Huang YS, Gamma linolenic acid: an antiinflammatory omega-6 fatty acid. Curr Pharm Biotechnol. 2006 Dec;7(6):531-4.) GLAのサプリメントが喘息と関節リウマチにもたらす効果については、以前の研究ですでに示されています。