■報告内容
2015年3月にBBC北アイルランドにて放送されたテレビ番組“Spotlight”の一部にて、イギリス国内の繁華街やネットショップで購入したサプリメント製品を分析したところ、9製品 (下記の一覧参照) にDMAAなどの成分が含まれていたことを報告 (PMID:26245332) 。
| 製品名 | 検出された成分 |
| Strip Ts | カフェイン、DMAA、シネフリン |
| Strip Ts | カフェイン、DMAA、シネフリン |
| Angel Dust | カフェイン、DMBA |
| Ostapure | Ostarine |
| Hemo Rage | カフェイン、シネフリン |
| SD Extreme | methasterone |
| Metha-Quad Extreme | Methylstenbolone、methasterone、13-ethyl-3 methoxy-gona-2,5(10)-dien-17-one |
| Mutant Noxx Mass Power Blend | カフェイン、DMBA |
| M1T Hulk XT | メチル-1-テストステロン |
■解説
これらは、脂肪燃焼、プロホルモン、筋肉増強などを謳ってダイエタリーサプリメントとして販売されていたが、イギリス国内では医薬品とされる成分を含んでいた。
■関連成分
シネフリン
陳皮 (チンピ)、枳実(キジツ)、呉茱萸(ゴシュユ)など、ミカン科植物を基原とする生薬に含まれるアルカロイドで、血管収縮作用、血圧上昇作用、気管支筋弛 緩作用が認められている。エフェドリンと化学構造が類似しているため、エフェドリン同様、カフェインならびにその他の興奮剤と同時に摂取すると、めまい、 ふるえ、頭痛、不整脈、心臓発作、精神病、脳卒中など、有害事象が誘発される可能性がある。
DMAA (ジメチルアミルアミン)
【名称等】ジメチルアミルアミン、1,3-dimethylamylamine、methylhexaneamineなどと呼ばれる。もともと1944年に製薬会社のEli LillyがForthaneの名称で特許を所得した鼻づまり治療のための鼻孔充血抑制薬。ゼラニウム油に由来した天然成分と標榜しているケースがあるが、成分分析ではそのような事実は確認されていない (66) 。
【利用状況】ダイエット、運動のパフォーマンス向上、筋肉増強を目的としたサプリメントとして利用されている。体重減少に対する有用性の根拠は乏しい。2010年世界アンチドーピング機関によって、DMAAはメチルヘキサネアミンという名前で禁止物質リストに加えられている (66) 。
【有害事象など】心臓血管系の有害事象を起こすことが懸念されている。ニュージーランド政府は、安全性が懸念されるためDMAAを含んでいるサプリメントの18歳未満への販売を規制し、2012年4月9日には安全性が懸念されるため禁止した。2011年に、米国国防省も、安全性の懸念から、一時的に軍の販売店でDMAAを含むサプリメントの販売を禁止した (66) 。