2016年8月 7日 00:07

無機栄養素であるマグネシウムの豊富な食事が血圧の維持に有効である可能性が、新たな研究で示された。今回の知見をレビューした米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)のSuzanne Steinbaum氏は、「マグネシウムは動脈を拡張させる作用があり、血圧を降下させる。

マグネシウムの多い食品には、全粒穀類、豆類、ナッツ類、緑色葉野菜などがある」と述べている。

今回の研究は、米インディアナ大学公衆衛生学部准教授のYiqing Song氏が主導したもの。研究グループによると、血圧調節におけるマグネシウムの役割に着目したこれまでの研究は比較的小規模で、一貫した結論は得られていなかったという。

研究では、マグネシウムサプリメントに関する計2,000人以上を対象とする臨床試験34件のデータを統合した。サプリメントの1日の用量は240~960mgで、ほとんどの試験で被験者の1日のマグネシウム摂取量は米国の推奨食事摂取量(RDA)を満たすか、それ以上であった。

収集したデータを選別した結果、マグネシウム摂取量と健康的な血圧降下との間にわずかながら有意な関連が認められた。たとえば、1日368mgのマグネシウムを3カ月摂取すると、全体で収縮期血圧が2mm/Hg、拡張期血圧が1.78mm/Hg低下した。また、マグネシウム値が高いほど血流量(血圧降下に関連するもう1つの因子)が良好であったと、研究グループは付け加えている。

Song氏らは、血圧調節におけるマグネシウムの便益はマグネシウム欠乏症または摂取が不十分な人にのみ適用される可能性があると考えている。それでも、「この知見は推奨量のマグネシウムが含まれる健康的な食事の重要性を強調するものだ。

このマグネシウム量[1日368mg]は、米国心臓協会(AHA)の勧告に従った健康的な食事から摂取することができる」と、AHAのPenny Kris-Etherton氏は話している。

Steinbaum氏は「私たちは臨床医として、コレステロール低下や糖分調節のためだけでなく、血液中の適切なマグネシウム量を維持するためにも、バランスのよい食事の重要性を強調する必要がある」と述べるとともに、今回の知見に基づき「心臓スクリーニングの一環としてマグネシウム値を確認することが、高血圧の予防・治療の重要な要素となるかもしれない」と指摘している。

この知見は「Hypertension」に7月11日掲載された。


More information

The U.S. National Institutes of Health, Office of Dietary Supplements provides more information on magnesium.

SOURCES: Suzanne Steinbaum, D.O., director, Women's Heart Health, Lenox Hill Hospital, New York City; American Heart Association, news release, July 11, 2016

Last Updated: